花き研究所

花き病害図鑑

菌核病(キンカクビョウ)

Stem rot(糸状菌)

植物名: アネモネ(ボタンイチゲ) キンポウゲ科 Anemone coronaria
病原菌: Sclerotinia sclerotiorum
病徴写真

発病株の株元に形成された本菌の菌糸体(白い綿状)

本病により完全に枯死した株、この頃には株の表面には黒色の菌核が形成されている。
病徴:

茎や葉、花に発生する。地際部に発生が多く認められるが、上部の葉柄や花こうでも発生が認められる。はじめ水浸状の小さい病斑がみられ、しだいに拡大して 灰白色の病斑となる。湿度が高いと白い綿状の菌糸が病斑部に生じる。枯死した周辺や花こうの中には、ネズミの糞ぐらいの大きさの黒色の菌核が形成される。

発生時期:

低温、過湿の状態が続いたとき

発生場所:

施設

防除法:

生育初期に過繁茂にしない、施設内を過湿にならないようにするのが最もよい方法である。まめに下葉を整理して風通しをよくする、施設内を乾燥させる、発病株は直ちに抜き取るなど耕種的方法を優先する。

文献:

瀧元清透:花卉及温室作物の病害31,1939

外部サイト:

日本植物病名データベース

記述者:

植松清次(千葉県暖地園研環境研)

記載日: 2012年1月26日

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