花き研究所

花き病害図鑑

いも腐線虫病(イモグサレセンチュウビョウ)

(Potato rot nematode)(センチュウ)

植物名: イリス類 ユリ科 Iris spp.
病原菌: Ditylenchus destructor
病徴写真

球根の根盤部から水浸状の病斑が広がり、後乾腐状態となる。
病徴:

地上部は葉縁が黄化する。やがて黄化部分が全葉に及んで枯死する。球根の根盤部から縦長の灰黒色の斑点を生ずる。病斑は球根上部に向かって縦線上に進展し、壊死部分は横にも広がり壊死斑となる。えそ症状はりん片内部にまで及びスポンジ状に変質する。球根掘り取り直後は外観上、異常を来さない球根でも貯蔵中に被害が拡がることもある。患部からはおびただしい量のセンチュウが分離される。

発生時期:

立毛中、球根貯蔵中

備考:

ダッチアイリスで発生。イリス類のセンチュウ病としてはほかに茎線虫病(Ditylenchus dipsaci)と根こぶ線虫病(Meloidogyne spp.)葉枯線虫病 (Aphelenchoides spp.)が知られる。

文献:

上住 泰:植物防疫 30(1):31,1976,三枝敏郎ら:植防研報14:7,1977

外部サイト:

日本植物病名データベース

記述者:

築尾嘉章(花き研究所)

記載日: 2012年5月2日

研究センター