花き研究所

花き病害図鑑

モザイク病(モザイクビョウ)

Mosaic(ウイルス)

植物名: ポピー類(ケシ類、アイスランドポピー、ヒナゲシ) ケシ科 Papaver spp.
病原菌: Broad bean wilt virus#(BBWV), Cucumber mosaic virus(CMV), Turnip mosaic virus(TuMV)
病徴写真

葉のクロローティックスポット症状(アイスランドポピー)。

クロローティックスポット症状を示す株の全景(アイスランドポピー)。
病徴:

はじめ葉が少し縮れ、淡黄色のモザイクと葉脈がやや透けてみえる症状(葉脈透化)が見られる。この段階では生育は比較的良く、花だちも若干劣る程度である。しかし、下葉に黄色の小斑点や褐色の小斑点を生じるようになると、生育が悪くなる。

発生時期:

9月下旬~11月中旬

発生場所:

露地

防除法:

育苗中や本ぽに寒冷しゃ被覆をして、本病を媒介するアブラムシの侵入を防ぐ。アブラムシは黄色を好んで飛来するので、ほ場には黄色の資材、肥料袋などを置かない。

備考:

我が国のケシ類に発生するウイルスとしては3種類が知られる。ヒナゲシ(P.rhoeas)ではCMVが感染すること、BBWVが分離されるとの報告がある。写真のアイスランドポピー(P.nidulare)ではTuMVが発生する(文献3)。

文献:

(1)與良 清ら:本邦における未記録ウイルスの検定と同定: 1, 1972 ,  (2)小室康雄:日植病報23(1):34, 1955;(3)亀谷満朗ら:日植病報59(1):37, 1993

外部サイト:

日本植物病名データベース

記述者:

植松清次(千葉県暖地園研環境研)、築尾嘉章(花き研)

記載日: 2012年1月19日

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