花き研究所

花き病害図鑑

灰色かび病(ハイイロカビビョウ)

Gray mold(糸状菌)

植物名: カラー(オランダカイウ、キバナカイウ) サトイモ科 Zantedeschia spp.及び種間雑種
病徴写真

初期病斑

褐色病斑と黄化
病徴:

葉では葉縁などから褐色の病斑が現れるが、急激な発病の進展はなく、小病斑に留まったり、輪紋状の病斑となることが多い。病斑は葉の中心部へ拡大し、大型の褐色病斑となり、病斑部の境界部は黄変する。湿地性の品種では密植栽培を行うと繁茂した葉内に多数の病斑が形成される。花(苞)での発病は今のところ確認していない。

発生時期:

全期間

発生場所:

施設・露地

防除法:

ハウスでは多湿にならないように換気に注意する。

備考:

本病原菌は多くの花き類、野菜類、果樹類を侵す。また、有機物の上で腐生的に生活でき、これらから生じた菌糸、分生子が伝染源となる。発病の好適気温は20°C位で、多湿条件を好む。カラーは比較的多灌水で栽培するため発病しやすく、密植、過繁茂なども発病を助長させる。ハウス栽培では夜間の気温が低下する時期に密閉しがちとなるので、多湿環境になりやすく、発生しやすい。

文献:

堀田治邦:日植病報 60(6):792,1994

外部サイト:

日本植物病名データベース

記述者:

木口忠彦(道花野セ)

記載日: 2009年1月31日

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