花き研究所

花き病害図鑑

立枯病(タチガレビョウ)

Root and stem rot(糸状菌)

植物名: キク キク科 Chrysanthemum morifolium
病原菌: Rhizoctonia solani AG2-2 IIIA,IIIB,binucleate Rhizoctonia(2核のリゾクトニア) Ceratobasidium sp. AG-A, AG-F
病徴写真

地際茎が褐変・腐敗する。

激発ほ場。直挿しでベタガケを剥がしたところ。 右、中列のほとんどの株で発病している。

同ほ場、拡大。

中央の1株が発病しているが、この程度大きくなれば被害は大きくならない。

地面に接した部分からの発病。

R.solaniによる立枯れ症状(接種による)

2核のリゾクトニアによる立枯れ症状の拡大

2核のリゾクトニアによる立枯れ症状
病原菌写真

R.solaniAG2-2、IIIBのPSA培地の菌叢(左:表、右:裏面)

Rhizoctonia solani菌糸の核染色、1細胞に多数の核

2核のリゾクトニアの菌糸(核染色)、1細胞に核は二つ。

2核のリゾクトニアAG-A。Ceratobasidium cornigermのPSA培地上の菌叢(左:表、右:裏面)
病徴:

茎に発病した場合、株全体に症状が現れる。はじめ生育不良や晴天時の萎凋症状が現れ、重症の場合は株全体が萎凋枯死する。罹病部は褐色となり、高湿の場合しばしば罹病部付近にくもの巣上の菌糸がみられる。定植間もない苗や直挿しなど、作物が小さいときに被害が大きい。

発生時期:

8月

発生場所:

露地・施設

防除法:

1.被害株は早期に除去し、ほ場外に持ち出す。2.多湿土壌のほ場では暗渠排水の設置や高畝作などの対策を講じる。3.発生ほ場では必ず土壌消毒を実施する。4.発生ほ場の生残株を親株としない。5.連作をなるべく避ける。

備考:

キクの立枯れ性病害には原因別に本病、フザリウム立枯病、ピシウム立枯病等があり、ほぼ同時期に発生する。病徴も類似し外観からの判別は困難であるため、 罹病部を顕微鏡観察し主要病原体を観察する必要がある。また本病の中にも複数のリゾクトニア(多核のリゾクトニアと2核のリゾクトニア)が関与する。

文献:

IIIA及びIIIB 梶原敏宏・菅田重雄 関東病虫研報18:74,1971,2核 築尾嘉章ら:日植病報70(3):219,2004 築尾嘉章ら:日植病報74(3):177,2008

外部サイト:

日本植物病名データベース

記述者:

菅原敬(山形県庄内産地研究室)、築尾嘉章(花き研)

記載日: 2012年1月31日

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