花き研究所

花き病害図鑑

炭疽病(タンソビョウ)

Anthracnose(糸状菌)

植物名: トルコギキョウ(ユーストマ) リンドウ科 Eustoma grandiflorum
病原菌: Colletotrichum acutatum,Glomerella cingulata
病徴写真

典型的な病徴。病斑上に黒点(分生子層)と鮭肉色~橙色の分生子塊を形成。

開花期の発病の様子。 茎では葉の基部付近に楕円形病斑が発生することが多い。

上位葉での発病。類円形の病斑。黒点(分生子層)を同心円状に形成する。

花弁の症状。楕円形~紡錘形の病斑となり、分生子層を形成する。 C.acutatum(右)の他にGlomerella cingulata(左)による被害も見られる。

初期の病徴

G.cingulataの子のう。8個の子のう胞子を内蔵する。

炭疽病による葉の病斑

C.acutatumによる炭疽病の病斑、鮭肉色の分生子層
病原菌写真

G.cingulataのPDA培地での菌叢。子のう殻(黒い粒)を形成している。

Colletotrichum acutatumの付着器(褐色、棍棒状)

Colletotrichum acutatumの分生子。紡錘形で両端が尖っている。

罹病部に形成されたG.cingulata分生子層(剛毛を伴う)(スケールバー:1mm)。C.acutatumの場合、ほとんど形成されないまたは非常に短い。

C.gloeosporioides(G.cingulataの不完全時代)の分生子

茎の病徴

G.cingulataの付着器

G.cingulataの子のう胞子
病徴:

茎葉に発生する。茎では葉の分岐部付近に多く、淡褐色のややへこんだ楕円形病斑を生ずる。葉では類円形の病斑となる。病勢が進むと病斑上に黒点状の分生子層を生じ、鮭肉色~橙色の分生子塊を形成する。病斑が茎を取り囲むと上部は萎凋・枯死する。

発生時期:

8月

防除法:

分生子が灌水やビニールの結露のしたたり落ちなどで病斑部から他の株へ飛散するため、本病の防除は施設内を出来るだけ過湿にしない、頭上灌水を控えるなどの耕種的対策が第一に必要である。

備考:

病原菌は2種類ある。Glomerella cingulataの不完全時代はColletotrichum gloeosporioidesでトルコギキョウでは完全時代、不完全時代ともに見られる。

文献:

acutatum:佐藤豊三ら:日植病報 58(4):544, 1992 Sato, T. et al.: Ann Phytopathol. Soc. Jpn. 63(1):16, 1997 ,  cingulata:菅原 敬ら:日植病報 75(1):57, 2009 菅原 敬:山形農試特別研報2:1, 2010

外部サイト:

日本植物病名データベース

記述者:

菅原敬(山形県庄内産地研究室),植松清次(千葉県暖地園研環境研)

記載日: 2012年2月10日

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