花き研究所

花き病害図鑑

ピシウム葉枯病(ピシウムハガレビョウ)

Pythium blight(糸状菌)

植物名: チューリップ ユリ科 Tulipa spp.
病原菌: Pythium afertile,Pythium dissotocum,Pythium sylvaticum,Pythium sp.(group P)
病徴写真

本病による坪枯れ症状

葉のみが侵され、根には障害がない。
病徴:

主に葉が侵され、葉の中央部より先端が灰白色、水浸状になり軟化して垂れ下がるが、疫病のように地際部が侵されることはない。圃場内では疫病と同様に雨後急速に蔓延するが、これは遊走子のはね上げ伝染によるものと思われる。

備考:

本菌は糸状菌の一種、べん毛菌類に属し疫病菌とは近縁でその生態も類似する。生育適温は菌株により異なるが25~32°Cの範囲にある。葉枯症状をおこすPythium菌は根腐症状を起こすことはないとされる。

文献:

向畠博行ら:日植病報 55(5):594, 1989

外部サイト:

日本植物病名データベース

記述者:

築尾嘉章

記載日: 2012年1月19日

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