花き研究所

花き病害図鑑

褐色腐敗病(カッショクフハイビョウ)

Bacterial brown rot(細菌)

植物名: チューリップ ユリ科 Tulipa spp.
病原菌: Burkholderia gladioli,Pseudomonas gladioli
病徴写真
病徴:

収穫して約2週間後の球根に不整形の陥没した黒褐色の小病斑を形成し、7月下旬から発病が顕著となる。この頃になると、病斑部が陥没して外皮上から手で病 斑の存在が確認でき、類似する黒腐病との違いは、黒腐病の病斑周縁部が主に第一鱗片の表層部を進行するのに対し、褐色腐敗病は第一鱗片の中層部を進行する。また,品種にもよるが、褐色腐敗病の方が褐色がかった病斑を呈することが多い。両病害とも球根のどの部位にも感染するが、球根全体が腐敗することは少ない。ただし、根盤部が侵されると、発根しないため発芽しなかったり、立枯れとなる。

発生時期:

夏季、貯蔵期

備考:

典型的なポストハーベスト病害。球根を掘り取り、付着土壌を水洗する際の傷口から侵入する。逆に言えば球根を水洗しなければ本病は発病しない。旧病名はPseudomonas gladioli。

文献:

守川俊幸ら:日植病報 57(1):92, 1991 ,  守川俊幸ら:日植病報 59(1):10, 1993

外部サイト:

日本植物病名データベース

記述者:

築尾嘉章(花き研)

記載日: 2012年2月9日

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