花き研究所

黒色

クロユリ
クロユリ

野生の花の中にはクロユリやオキナグサのように、黒色(に近い)の花色を持つ植物があります。園芸品種の中にも、バラやパンジー、チューリップ、ダリア、タチアオイなどには黒色の品種があります。

黒色花に含まれる色素

アントシアニンが花弁に蓄積することで黒色を発色する花
アントシアニンが花弁に蓄積することで黒色を発色する花
左:カーネーション品種 「ブラックバッカラ」 右:ビオラ品種「ブラックオパール」

黒い花弁には黒い色素が含まれているわけではありません。黒い色調は赤~青紫のアントシアニンや黄色のカロテノイド、緑のクロロフィルの組み合わせにより生まれます。黒い花弁にはこれらの色素(特にアントシアニン)が多量に含まれているため光がほとんど吸収されてしまい、人間の目には黒く映ります。

カーネーション、ビオラやチューリップの黒色品種やクロユリはアントシアニンが多量に蓄積して黒色を発色しています。アントシアニンのなかでもデルフィニジン(青系)やシアニジン(赤系)構造をもつアントシアニンが多量に貯まると黒色になります。特にデルフィニジン系アントシアニンが貯まると黒味が増す傾向があります。

ラン(パフィオペディラム)の黒花品種ではクロロフィルとアントシアニンの組み合わせにより、パンジーの黒斑はアントシアニンとカロテノイドの組み合わせにより黒色を発色しています。

黒色発現には表皮の構造も重要

色素だけではなく、花弁の表面の構造が色調に影響を与えている場合もあります。バラの黒色品種と赤色品種では花弁の表皮細胞の構造が異なり、黒い花弁では赤い花弁よりも細胞が細長い傾向にあります。そのため、黒い花弁では表面に光が当たったときに陰影が濃くなり、黒味が増すと考えられています。

花弁の色の違いによる表皮細胞構造の比較
花弁の色の違いによる表皮細胞構造の比較

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