果樹研究所

一押し旬の話題

2011年9月 1日

ナシ「秋麗」、ブドウ「シャインマスカット」、リンゴ「さんさ」

今年の夏も暑かったですね。

まずは、注目されている青ナシの「秋麗」、ブドウのなかで最も注目されている「シャインマスカット」を紹介します。

そして、今年産のリンゴがそろそろ見られるようになってきました。 リンゴの「さんさ」を紹介します。

ナシ「秋麗」

秋麗

果汁たっぷりのナシには食物繊維とカリウムがたっぷり含まれています。
動脈硬化などになりやすい夏には、ナシを食べて血圧をうまく調整しましょう。

「秋麗(しゅうれい)」は、ナシの中では中生(なかて)で9月上旬頃が旬になります。1982年に「幸水」に「筑水(ちくすい)」を交配して、2003年に品種 登録された品種です。

「二十世紀」と同様の青ナシです。果実の大きさは350g程度で、中玉の品種です。
果肉は柔らかく、肉質がち密で多汁です。果汁の糖度は13%前後で、好ましい風味があり、食味は「二十世紀」よりも優れています。
一度味わってみて下さい。


ブドウ「シャインマスカット」

シャインマスカット

「シャインマスカット」は、大粒で黄緑色の食味良好なブドウです。

肉質が崩壊性で硬く、マスカット香をもっています。 ヨーロッパブドウに由来する崩壊性で、パリパリとした食感が特徴です。
多くが種なし栽培をしていますので、皮ごと食べられます。また、ヨーロッパブドウの香りである『マスカット香』を持つ画期的な品種です。

ブドウの女王と呼ばれる「マスカット・オブ・アレキサンドリア」より糖度は高く、20%程度になり、酸含量が少ないので、非常に甘く感じられます。

2006年に品種登録されましたが、国内の多くのブドウ産地で作られ、もう、果物専門店だけでなく、スーパーにも出回り始めました。
まだ、1房1,500~5,000円くらいしますが、一度食べると必ずファンになっていただけると思います。

日持ち性は「巨峰」より良く、栽培も容易で、優秀な性質を持っており、今後大いに伸びると思われます。

リンゴ「さんさ」

さんさ

リンゴ「さんさ」は1969年に「ガラ」に「あかね」を交配して育成した品種で、1988年に品種登録されました。

紅色~鮮紅色に着色し、美しいリンゴです。
果肉の色は白色で、硬さは中程度、肉質はち密です。
果汁が多く、芳香を有します。糖度13~14%、酸0.4%程度で、甘酸適和で、早生品種としては食味が優れています。

9月上旬が旬で、「つがる」より1週間程度早いです。
果実の大きさは200~250gでやや小さく、果形は円錐形です。日持ち性は室温で2~3週間程度、冷蔵で1ヵ月以上あり、この時期の品種としては鮮度保持期間が長い品種です。

盛岡の夏祭り「さんさ踊り」にちなんで、名前が付けられました。

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