果樹研究所

一押し旬の話題

2011年7月15日

ウメ「露茜(つゆあかね)」

今回は少し変わったウメをご紹介します。

ウメ「露茜(つゆあかね)」は、1993年にニホンスモモ「笠原巴旦杏(かさはらはたんきょう)」にウメ「養青梅(ようせいうめ)」を交配して育成し、2009年に品種登録したものです。
したがって、正確に言うと、ウメではなくて、スモモとウメの種間雑種となります。

特徴は実が赤いウメです。
果実は60~70gと大きく、果皮はほぼ全面に赤く着色し、果肉も鮮紅色に着色します。

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酸味が強く、生食はできませんが、赤い梅酒や梅ジュースなどの原料として利用ができます。

収穫期は、つくばで7月中旬で、最も沢山作られているウメ「南高」より3週間ほど遅いものです。

前回紹介しました「サニーコット」や「ニコニコット」は、自家結実性で他の品種の花粉は要りませんが、通常のウメより遅く花が咲く「露茜」の受粉樹として適しているので、「サニーコット」や「ニコニコット」と一緒に「露茜」を植えておくのがよいでしょう。

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果皮や果肉が鮮紅色に着色し、きれいな紅色になることから名前が付けられました。
茨城県の常総市にある酒屋、野村醸造(株)さんでは「露茜」の梅酒を製造し、『つゆあかね』と言う名で販売しています。目からも喉からも、味を楽しめます。

「露茜」の果実でつくったウメジュース(左)と梅酒(右)です。
紅色の美しいウメジュースや梅酒ができます。

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