果樹研究所

一押し旬の話題

2012年2月15日

カンキツ「はるひ」「麗紅(れいこう)」

カンキツ品種2月5日(日曜日)に行われました果樹研究所カンキツ研究興津拠点(静岡市)の一般公開では、「はるみ」「たまみ」「レモネード」「スイートスプリング」「ハッサク」など多くのカンキツ品種を試食していただきました。

名前を聞いたこともない方もおられるかもしれませんが、「スイートスプリング」「はるみ」「たまみ」は美味しく評判も良かったようです。また、重さ3kgから数gの各種カンキツの展示も珍しく、顔より大きなブンタンを持ち上げて楽しんでいるお子様もおられました。
今年チャンスを逃した方は、来年どうぞお越し下さい。東海道線の興津駅から歩いて3分です。

さて、今回はカンキツの「はるひ」「麗紅(れいこう)」の紹介です。

はるひ

はるひはるひの果実カンキツ「はるひ」は、1991年に食味が優れる「カンキツ興津46号」(「スイートスプリング」×「トロビタ」オレンジ)と香りのさわやかな「阿波オレンジ」(「ヒュウガナツ」×「トロビタ」オレンジ)を交雑して育成したカンキツです。

2009年に品種登録されました。先祖のヒュウガナツに似たさわやかな風味があり、柔軟多汁で糖度も13%程度と高く、適度な酸味もある、食味が良いカンキツです。
果実は平均150g程度で、形はまん丸に近く、果皮の色は黄色から橙黄色で、果面は滑らかで、ちょっと大きな丸いレモンといった感じのカンキツです。

果皮の厚さは約3mmくらいありますが、比較的皮はむきやすいです。着色・減酸はヒュウガナツよりも早く、2月に熟期となります。

麗紅(れいこう)

麗紅(れいこう)カンキツ「麗紅(れいこう)」は1984年、「清見」に「アンコール」を交配して作った系統(No.5)に「マーコット」の花粉を交配して育成し、2005年に品種登録した品種です。

果実の大きさは210g程度で、皮は濃橙色から淡赤橙色で、外観は美麗です。皮は比較的むきやすく、果汁が多く、糖度は12%程度で食味良好です。
熟期は1月中下旬で、クエン酸は1.0~1.2%程度で糖酸共にある比較的濃い味になっています。
自分自身は花粉を作らないため、他の品種の花粉により受粉されなければ、種は入りません。

年内に成熟するウンシュウミカンの生産に片寄る我が国のカンキツの品種構成を改善するため、年明け以降に成熟するカンキツ品種の育成が望まれており、中生で、芳香があり、糖度が高く、食味が良い皮のむけるカンキツ品種を目的に作った品種です。

研究センター