果樹研究所

一押し旬の話題

2012年10月15日

なつめ

なつめ

なつめの果実 
なつめの結実状況

「なつめ」って知っていますか?
生の果実が流通することはほとんどありませんが、岐阜県高山産や中国産の干しなつめや甘露煮などにはお目にかかったこともあるでしょう。
生のなつめ(写真)は、梨のようにさっぱりとした甘さがあり、肉質はちょっとぱさぱさとしたリンゴのようです。
青い実が茶色くなりかけた頃が、最も甘みがあって美味しいのですが、砂糖で煮込んで食べると、また一層美味しくなります。
瓶詰めで甘露煮が市販されており、岐阜県高山市などの飛騨地方は昔からのなつめの産地で、甘露煮などもお土産に売っています。
飛騨地方では花粉症に罹る人が少ないと言われ、なつめの効果があるのではと話題になったこともありました。

なつめ(英語でJujube)は、ナツメ属クロウメモドキ科で、原産地は南ヨーロッパやアジア西南部です。
中国東北部から華北地域にかけて自生または栽培されている落葉性の小高木です。
小高木と言っても、高さ約10mに達するものもあります。
初夏に芽を出すことから『なつめ』と呼ばれています。

なつめの花 
なつめの花

花(写真)は6~7月ごろ、葉腋に淡黄色の小さな花を数個つけます。
果実は楕円形で、長さが1.5~3cm、表面はなめらかで、初めは淡緑色ですが、熟すと暗紅色になります。

なつめの実は中国では「気」の強壮剤として愛好されており、強壮・解熱・疲労回復・声枯れなどに、漢方薬として使われてきました。
我が国では、奈良時代の遺跡から種子が出土しており、また、『万葉集』、『延喜式』などに記載があります。
茶器にも「棗(なつめ)」がありますが、これは形がなつめに似ているからです。

旬の果物

さて、秋も本番、果物の美味しい季節となりました。
今年は天候に恵まれ、どの果物を食べても美味しいです。
果樹研究所育成のブドウ「シャインマスカット」、ナシ「あきづき」、カキ「早秋」、リンゴ「さんたろう」、クリ「ぽろたん」、「筑波」、「石鎚」なども大変美味しい品種です。
お店で見かけたら、ぜひお買い求め下さい 。
いろんな果物をたくさん食べて、健康を維持しましょう。

お知らせ

10月20日(土曜日)に九州沖縄農業研究センターで、一般公開が開催されます。果樹研究所も参加します。
果樹研究所が育成したクリ「ぽろたん」、リンゴ「もりのかがやき」の紹介と試食、みかんの糖度を計る体験などを行います。
お近くの皆さまは、ぜひ参加してください。

研究センター