果樹研究所

一押し旬の話題

2013年12月15日

みはや・はれひめ

みはや・はれひめ

本格的にウンシュウミカン(以下、ミカンとします)のシーズンになっています。
子供の頃は家族でこたつに入ってテレビを見ながらミカンを食べたものですが、この頃は家族集まってミカンを食べる習慣が無くなってしまいました。

みはや
みはや

この様な消費形態の変化に伴って、ミカンの生産量は大きく減ってきています。
今から40~50年前は350万トンもあったのですが、今では90万トン程度になってしまいました。
消費者の皆さんは色んなものを食べたいという意向が強く、1つの種類では飽きてしまったと言うことでしょうか。

そこで、果樹研では「みはや」と言う品種を新たに育成しました。
「みはや」は、11月下旬に食べられるカンキツ品種で、赤橙色の外観が美しく、糖度が高くて酸味が少なく、ミカンと違った芳香があり、果実は190g程度と大きく、機能性成分のβ-クリプトキサンチン含量はミカンと同程度に多く含まれており、じょうのう膜がやや軟らかく、袋ごと食べられ、この時期にちょっと変わったミカンが食べられます。

登録したばかりなので、皆様に味わっていただけるのは4~5年先のことでしょうか。楽しみにお待ちください。

はれひめ
はれひめ

また、この頃に食べられるカンキツ品種として「はれひめ」があります。
ミカンより、やや大きく、果皮の色は橙色で、皮は簡単に手で剥けます。
果肉の色はミカンよりちょっと橙が濃くなっており、袋ごと食べられるミカンです。
果汁の糖度は10% 内外であまり高くはありませんが、減酸が早く、オレンジ様の風味があり食味は良好です。

最近は、マルドリ方式と言って、ミカンの木の下にプラスチックのシートを敷いて夏の間水分を切って美味しい果実を作る技術ができてきており、糖度13%以上の「はれひめ」が売られています。

「はれひめ」という名前は、夏から秋に晴天が続くことで甘くて香り高い果実になる『晴れ姫』に因んで付けたものです。
愛媛県では糖度の高い果実を『瀬戸の晴れ姫』というブランド名で出荷しています。

2010年の「はれひめ」の生産量は全国で約1,098トン。1位は約878トンの愛媛県で、70%以上を占めています。続いて約87トンを生産する広島県。3位は約35トンの和歌山県です。

食のブランド・ニッポン

ブラニチで提供した果物
提供した果物、左から、「ぽろたん」
「シャインマスカット」「もりのかがやき」

11月27日(水曜日)、東京お台場のホテル日航東京で、食のブランド・ニッポンというイベントが行われました。
このイベントは、農研機構の研究成果である新品種・技術を皆様に広くお知らせし、「攻めの農業」を背景とした、6次産業化や輸出促進などの新たなビジネスにつなげたいとの思いで行っているイベントです。

参加者の皆様には、農研機構で新しく開発された食材を使って、ホテル日航東京のシェフによる創作料理をご賞味いただきました。
大麦「ビューファイバー」粉となたね「キタノキラメキ」油で揚げたバナメイエビの天ぷら、「夕やけもち」、「おぼろづき」、「こなみずき」を使った『おはぎ風冷やしくず湯掛け』などを始め、和洋中20種類の料理に仕上がりました。

果樹研からは、クリ「ぽろたん」を提供し、ヤナギマツタケ、ムキタケとともに『栗ときのこの旨煮』に料理して味わっていただきました。
果物は調理しても美味しく食べられますが、そのままの味、香り、食感を楽しんでもらいたいもので、ブドウ「シャインマスカット」、リンゴ「もりのかがやき」をデザートとして味わっていただきました。
また、ウメ「露茜(つゆあかね)」の梅酒やジュース、β-クリプトキサンチンが多く含まれるミカンジュース『アシタノカラダ』も飲み物として提供しました。

露茜のジュース
露茜のシロップ(梅酒)

アシタノカラダ
アシタノカラダ

研究センター