赤肉リンゴ
「私は真っ赤なリンゴです」と歌われるように、リンゴは赤いのが特徴ですが、実の中まで赤いリンゴはありませんでした。
正確に言えば、ありましたが、渋い、酸っぱいなどで、とても生で食べられるものではありませんでした。
そこで、美味しく食べられる赤肉のリンゴを育成しましたので紹介します。「ルビースイート」です、現在、品種登録申請中の品種です。
「ルビースイート」は、10月中下旬、「紅玉」とほぼ同時期に食べられる品種です。果皮はもちろん赤色で、果実重は450gと極大果となります。
果肉色が赤色ないし桃色で、片親が「ふじ」ですので、糖度は14.5%程度と高く、酸含量は0.36g/100ml程度と低く、既存の赤肉品種より食味が良好で、生食に適します。
果肉色、果汁の色ともに赤~淡赤色ですので、特徴あるジュースやジャムなどの加工品の製造や調理用にも利用できます。
4~5年先には、お店に出ることと思います。楽しみにお待ちください。
ルビースイートの果実
ルビースイートの断面
ドラゴンフルーツ
ピタヤの花
赤い実の果実というとドラゴンフルーツを思い起こします。ドラゴンフルーツと聞くと何か恐ろしいような果物を想像しますが、サボテンの実です。
果皮が竜のウロコのように見えるため『ドラゴンフルーツ』と呼ばれていますが、元々は「ピタヤ」という果物で、中国語の『火龍果』を英訳し、ドラゴンフルーツとなったものです。
果肉の中にはゴマのような種子が散らばっていて、果肉はやわらかくサクサクした食感です。味はさっぱりとした甘さで酸味はほとんどありません。
ドラゴンフルーツは樹上で完熟したものは糖度が高くおいしいのですが、店頭に並んでいる場合、特に輸入品では、早取りをしており、味も素っ気もないものも多く見受けられます。
ピタヤの実
私は、以前東京で1個1,000円近い値段でしたが、試しに買ってみたところ、味のないぼけたナシのような果実に当たってしまったことがあります。家で糖度を測ってみたところ、7%と今時のトマトより低い糖度でした。早取りしているので、青臭さも残っており、ちょっと残念な味でした。
日本には20年ほど前に導入され、その多くが沖縄県で栽培されています。沖縄県で200トンほど生産されています。他には鹿児島県、宮崎県でつくられています。国内産は7~11月頃がシーズンです。
果皮は赤いのに、白色の果肉を持つ品種「ホワイトピタヤ」、赤い果皮に赤紫色の果肉の「レッドピタヤ」、黄色い果皮に白い果肉で、皮にとげがある「イエローピタヤ」などの品種があります。
ピタヤの断面
イエローピタヤの実
ところで、2月9日(日)、カンキツ研究興津拠点(静岡市清水区)で、研究成果をご覧いただく機会を設けました。おいしいカンキツも沢山食べられますよ。ぜひ足を運んでみてください。