日本産糸状菌類図鑑 No.21 before← →next ↑top

Cochliobolus heterostrophus (Drechs.) Drechs. [=Bipolaris maydis (Nisikado) Shoem., Helminthosporium maydis Nisikado]
 分類:子のう菌門,小房子のう菌綱,クロイボタケ目,プレオスポラ科

日本全国に分布。トウモロコシなどにごま葉枯病を引き起こし,被害が大きい。他のイネ科牧草や野生植物からも分離される。分生胞子を飛散して蔓延する。子のう胞子は自然条件下では観察されない。

性状(機能):植物病原菌    病徴JPEG(54kb)

形態:
 有性世代:培地上の対峙培養で形成。黒色の偽子のう殻中に長楕円形の子のうを形成し,内部に無色,糸状,大きさ130-340×6-9μの子のう胞子をラセン状に巻いて形成する。
 無性世代:褐色の分生子柄上に,明褐色,長紡錘形〜長楕円形,大きさ70-160×15-20μ,5-11偽隔壁をもつやや湾曲した分生胞子を形成する。
子のうと子のう胞子
(染色後)
分生胞子 培養菌叢

農環研所蔵標本

標本番号 菌種 宿主和名 宿主学名 症状 採集地 採集年月日 採集者
246-1-48 Cochliobolus heterostrophus  トウモロコシ Zea mays ごま葉枯病 1942.8.22 馬家
249-2-1 栃木県塩谷郡藤原町 1961.8.8 富永時任
249-2-2 栃木県那須郡西那須野町 1961.9.20 小室康雄
249-2-3
104-1-41
104-1-45 千葉市長沼原町 1965.10.27 富永時任
135-1-12 〃  コバノウシノシッペイ Hemarthria compressa  ごま葉枯症状 沖縄県名護市 2000.7.7 月星隆雄

(記述および図版提供者:月星隆雄,農環研,微生物分類研究室,2002)


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