日本産糸状菌類図鑑 No.58 before← →next ↑top 

Pyrenophora tritici-repentis (Died.) Drechsler [=Drechslera tritici-repentis (Died.) Shoem.]
 
分類:子のう菌門,小房子のう菌綱,クロイボタケ目,プレオスポラ科

 主に関東以北に分布。コムギ黄斑病,カモジグサ葉枯病を引き起こす。他のイネ科牧草や野生植物からも分離される。分生胞子を飛散して蔓延する。子のう殻は越冬茎上で形成される。

性状(機能):植物病原菌

形態:
 有性世代:頂部に剛毛をもつ偽子のう殻中に円筒形の子のうを形成し,内部に無色〜淡黄褐色,ボート形,縦1-2横3隔壁,大きさ42-69×14-29μの子のう胞子を形成する。
 無性世代:淡黄褐色の分生子柄上に,半透明〜黄褐色,両端の丸い円筒形で先端細胞は蛇頭形,大きさ75-250×14-20μ,1-9偽隔壁をもつ真直あるいはわずかに湾曲した分生胞子を形成する。
分生胞子(培地上)

農環研所蔵標本

標本番号 菌種 宿主和名 宿主学名 症状 採集地 採集年月日 採集者
135-1-20 Drechslera  tritici-repentis カモジグサ類 Agropyron sp. 条斑症状 北海道足寄町 2002.8.27 月星隆雄

(記述および図版提供者:月星隆雄,農環研,微生物分類研究室,2002)


本図鑑の著作権は農業環境技術研究所,農業環境インベントリーセンターに帰属します。