日本産糸状菌類図鑑 No.11 before← →next ↑top

Bipolaris stenospila (Drechsler) Shoem. [=Cochliobolus stenospilus Matsumoto & Yamamoto, nom. inval.]
 分類:子のう菌門,小房子のう菌綱,クロイボタケ目,プレオスポラ科

九州以南に分布。サトウキビに褐条病を引き起こす。分生胞子を飛散して蔓延する。有性世代の学名(C. stenospilus)はラテン記載がなされていないため無効。子のう胞子は自然条件下では観察されない。

性状(機能):植物病原菌

形態:
 有性世代:培地上の対峙培養で形成。黒色の偽子のう殻中に円筒形の子のうを形成し,内部に無色,糸状,大きさ130-300×6-8μの子のう胞子をラセン状に巻いて形成する。
 無性世代:褐色〜暗褐色の分生子柄上に,オリーブ褐色〜褐色,幅広の紡錘形〜円筒形,大きさ70-135×14-22μ,6-14偽隔壁をもつ概ね湾曲した分生胞子を形成する。
分生胞子

農環研所蔵標本 

標本番号 菌種 宿主和名 宿主学名 症状 採集地 採集年月日 採集者
135-1-30 Bipolaris stenospila サトウキビ Saccharum officinarum 褐条病 沖縄県那覇市 2001.11.28 篠原弘亮

(記述および図版提供者:月星隆雄,農環研,微生物分類研究室,2002)


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