日本産糸状菌類図鑑 No.55 before← →next ↑top

Pyrenophora dictyoides Paul & Parberry [=Drechslera dictyoides (Drechsler) Shoem.]
 分類:子のう菌門,小房子のう菌綱,クロイボタケ目,プレオスポラ科

主に本州以北に分布。オーチャードグラス,フェスクなどイネ科牧草に網斑病を引き起こす。他のイネ科牧草や野生植物からも分離される。分生胞子を飛散して蔓延する。子のう胞子は自然条件下ではほとんど観察されない。

性状(機能):植物病原菌

形態:
 有性世代:黒色の偽子のう殻中に円筒形の子のうを形成し,内部に無色〜淡褐色,ボート形,縦1-2横3隔壁,大きさ33-35×15-24μの子のう胞子を形成する。
 無性世代:褐色の分生子柄上に,淡黄褐色〜明褐色,円柱形〜先端に向かってやや漸尖し,大きさ20-250×14-20μ,4-7偽隔壁をもつ真直の分生胞子を形成する。
分生胞子

農環研所蔵標本

標本番号 菌種 宿主和名 宿主学名 症状 採集地 採集年月日 採集者
249-1-17 Drechslera dictyoides  トールフェスク Festuca arundinacea  網斑病 千葉市青葉町 1961.6.1 富永時任
108-1-76 栃木県那須郡西那須野町 1965.4.30
249-1-6 メドウフェスク Festuca pratensis 千葉市長沼原町 1965.4.23

(記述および図版提供者:月星隆雄,農環研,微生物分類研究室,2002)


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