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44.大山(鳥取・岡山)

主産地形成が進んだ多様な農業

 <1984年5月8日観測画像>

中国地方の最高峰大山は富士山に似た美しい大きな山で,火山裾野は東西41キロメートル,南北33キロメートルの楕円形をなし,一面黒ボク土に覆われている。画像はこの大山の火山灰降下の影響ある鳥取県と岡山県にまたがる地帯で,赤く表れているのが黒ボク土の畑である。

気候は日本海型である。年間を通じて降水量が多く,年降水量は2,000ミリに達する。冬季には,山陰不連続線の活動により,雷や里雪をもたらす。山間部,とくに大山付近は雪量が多く,5月上旬のこの画像でも山頂はまだ雪(画像のシアン色)をいだいている。

地形は,中国山地が日本海側にせりだした形でよこたわっているために,山地が多く,平野が少ない。海岸部では砂丘・砂州の形成が顕著である。

このような立地条件から,農業生産は耕地の規模が小さいが主産地形成が進んで,多様な農業が営まれている。

鳥取県側の農業生産は日野川,天神川に開けた水田地帯で水稲,倉吉市など中部の中山間地帯の傾斜地および黒ぼく丘陵地帯のナシを中心とした果樹,黒ボク畑地および砂丘地帯での野菜,大山山麓地帯の酪農,山間地域の肉用牛などである。

県内総生産に占める第1次産業生産額の割合は7.87%で全国14位(1980年)と高いが,県域の狭さから耕地面積(44千ヘクタール,総面積の12.6%),米の収穫量は37位(1983年)と低位にある。二十世紀ナシの特産地として知られ,日本ナシの収穫量15,500トンは1位(1983年)で,全国の5分の1を占める。スイカも5位(1982年)である。砂地農業の特産としてラッキョウ,ナガイモなどがある。また,シロネギ,ブロッコリーも全国的に主産地としての地位を築いている。

また,岡山県の蒜山盆地は,中国山地の山並に連なる,蒜山三座(標高1,000〜1,200メートル)の南斜面に開けた東西16キロメートル,南北6キロメートルの地域である。その優美な裾野は長く緩かな高原状となっており,蒜山ダイコン,ジャージー牛に代表される農業が営まれている。この大根は700ヘクタールに栽培されており,西日本最大の産地である。近年,連作障害による品質,収量の低下が見られ,その克服に努力がなされている。一方 産地として1.5次産業育成のため,乾燥大根の開発・製品化が進められている。

福原道一(農業環境技術研究所)

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