農業環境技術研究所法人情報法定公開情報情報公開

独立行政法人農業環境技術研究所中期計画

制定: 平成23年  3月31日
変更: 平成23年  6月30日
変更: 平成27年12月22日

独立行政法人農業環境技術研究所(以下「研究所」という。)は、農業をめぐる環境問題が世界的に重要になり、食や環境の安全性に関する国民の関心が高まる中で、農業環境に関する基礎的な研究を担う独立行政法人として、農林水産省農業環境技術研究所を母体に、平成13年4月に設立された。

研究所は、「農業生産の対象となる生物の生育環境に関する技術上の基礎的な調査及び研究を行う」ことを使命としており、「自然、社会、人間の調和と共存を目指す高い水準の研究を推進し、我が国と世界の食料問題と環境問題の克服に貢献する」ことを基本理念としている。

研究所は、この10年間、中期目標に基づき、農業環境のリスクの評価と管理技術の開発に関する研究を重点的に推進し、行政や国民のニーズに応えてきた。特に、ダイオキシンを始めとする残留性有機汚染物質(POPs)や放射性物質、カドミウム等化学物質による農作物汚染、遺伝子組換え作物や外来生物の農業環境影響、農業生産活動と生物多様性の保全との関係性、地球温暖化に代表される地球規模環境変動と農業活動との関係等に関する諸問題の解決に貢献してきた。

この間、農業生産における地球温暖化の影響は顕在化するなど、農作物や環境のリスクに関する社会の関心は高まり、農業環境の保全及び改善や次世代への継承が大きな課題となっている。

これを踏まえ、研究所は、第3期中期目標期間においては、これまでに蓄積した知見や構築した国内外のネットワークを十分に活用し、かつ分野横断的に研究勢力を結集することにより、地球規模環境変動と農業活動の相互作用に関する研究、農業生態系における生物多様性の変動機構及び生態機能の解明に関する研究、農業生態系における化学物質の動態とリスク低減に関する研究など、我が国の農業環境が抱える主要な研究課題について重点的に研究開発を推進する。加えて、これらの研究を支える基盤的な研究として農業環境インベントリーの高度化を推進する。なお、これらの研究の実施にあたっては、行政部局との緊密な連携の下で政策上の課題を適時適切に研究開発に反映させる。また、これらの研究を通じ、アジア地域における農業環境研究に関するイニシアチブを確保する。

得られた成果については、速やかに関係機関に提供することにより、我が国の農業環境に関する政策が合理的かつ効果的なものとなるために貢献する。一方、国際機関や国際的枠組みに対しては、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の活動等に貢献するともに、農業分野からの温室効果ガスに関するグローバル・リサーチ・アライアンス(GRA)の運営への協力などを通じ国際協調に貢献する。

また、試験及び研究業務が相互に密接に関連している他の農業関係研究開発独立行政法人との連携強化によるシナジー効果の発現、及び共通業務の一体的実施などによる管理部門の一層の効率化を推進し、質の高い成果の創出とその社会への還元を加速する。

さらに、研究活動を推進するにあたり、役職員が高い倫理観と社会的責任を自覚して行動し、さらに環境の保全、改善に取り組むため、研究所の行動憲章、環境憲章を定め理念の共有を図る。

第1 業務運営の効率化に関する目標を達成するためとるべき措置

1.経費の削減

(1)一般管理費等の削減

(1) 運営費交付金を充当して行う事業については、業務の見直し及び効率化を進め、一般管理費(人件費を除く。)については毎年度平均で少なくとも対前年度比3%の抑制、業務経費については毎年度平均で少なくとも対前年度比1%の抑制をすることを目標に、削減する。なお、一般管理費については、経費節減の余地がないかあらためて検証し、適切な見直しを行う。

(2) 給与水準については、国家公務員の給与水準を十分考慮し、手当を含め役職員給与の在り方について厳しく検証した上で、引き続き、国家公務員に準拠した給与規定に基づき支給することとし、検証結果や取組状況を公表する。

総人件費についても、「簡素で効率的な政府を実現するための行政改革の推進に関する法律」(平成18年法律第47号)に基づく平成18年度から5年間で5%以上を基本とする削減等の人件費に係る取組を、平成23年度も引き続き着実に実施し、平成23年度において、平成17年度と比較して、研究所全体の人件費(退職金及び福利厚生費(法定福利費及び法定外福利費)を除く。また、人事院勧告を踏まえた給与改定部分を除く。)について6%以上の削減を行うとともに、「公務員の給与改定に関する取扱いについて」(平成22年11月1日閣議決定)に基づき、政府における総人件費削減の取組を踏まえるとともに、今後進められる独立行政法人制度の抜本見直しの一環として、厳しく見直しを行う。

なお、以下の常勤の職員に係る人件費は、削減対象から除くこととする。

(ア)競争的資金、受託研究資金又は共同研究のための民間からの外部資金により雇用される任期付職員

(イ)任期付研究者のうち、国からの委託費及び補助金により雇用される者及び運営費交付金により雇用される国策上重要な研究課題(第三期科学技術基本計画(平成18年3月28日閣議決定)において指定されている戦略重点科学技術をいう。)に従事する者並びに若手研究者(平成17年度末において37歳以下の研究者をいう。)

(2)契約の見直し

(1) 「独立行政法人における調達等合理化の取組の推進について」(平成27年5月25日総務大臣決定)等を踏まえ、公正かつ透明な調達手続きによる、適切で迅速かつ効率的な調達を実現する観点から調達等合理化計画を定め、重点分野の調達の改善、調達に関するガバナンスの徹底等を着実に実施する。

(2) 経費削減の観点から、他の独立行政法人の事例等をも参考にしつつ、複数年契約の活用など契約方法の見直し等を行う。

(3) 密接な関係にあると考えられる法人との契約については、一層の透明性を確保する観点から、情報提供の在り方を検討する。

2.評価・点検の実施と反映

(1) 業務の重点化及び透明性を確保するため、毎年度の独立行政法人評価委員会の評価に先立ち、業務の運営状況、研究内容について、外部の専門家、有識者等で構成する評価委員会での検討を踏まえ、自ら適切に評価・点検を実施するとともに、その結果については、独立行政法人評価委員会の評価結果と併せて、反映方針、具体的方法等を明確化して、研究資源の配分等の業務運営に的確に反映させる。特に、研究内容については、必要性、進捗状況等を踏まえて機動的に見直しを行う。また、評価結果及びその反映状況等については、ホームページで公表する。

(2) その際、研究内容の評価に当たっては、研究に先立って、年次目標を記載した中期目標期間の工程表を作成する。また、農業その他の関連産業、国民生活への社会的貢献を図る観点から、できるだけ具体的な指標を設定するとともに、研究水準を海外の研究機関と比較するため、中期目標期間中に国際的ベンチマーク等を導入する。さらに、投入した研究資源と得られた成果の分析を行い、研究内容の評価に活用する。

(3) 主な研究成果の普及・利用状況を把握・解析し、業務運営の改善に活用する。

(4) 職員の業績評価を行い、その結果を適切に処遇等に反映させる。

3.研究資源の効率的利用及び充実・高度化

(1)研究資金

(1) 運営費交付金を活用し、中期目標に定められた研究を効率的・効果的に推進するため、研究所内を対象とした公募・採択による研究資金の配分、研究内容の評価・点検結果に基づく研究資金の重点的な配分を行う。

(2) 研究開発の一層の推進を図るため、農政上及び科学技術政策上の重要課題として国が公募するプロジェクト研究や中期目標の達成に有効な競争的資金に積極的に応募し、研究資金の充実を図る。

(2)研究施設・設備

研究施設・設備については、(1)整備しなければ研究推進が困難なもの、(2)老朽化が著しく、改修しなければ研究に支障を来すもの、(3)法令等により改修が義務付けられているものなど、業務遂行に真に必要なものを計画的に整備するとともに、集約化や共同利用を推進し、高額機器の利用率を高める、隔離ほ場について研究所での利用予定がない期間に外部へ貸与するなど有効活用を図る。

(3)組織

業務の運営状況、研究内容の評価・点検結果を踏まえ、研究をより効率的・効果的に推進する観点から、機動的かつ柔軟に組織を見直すとともに、他の農業関係研究開発独立行政法人との共同研究等を円滑に推進するための体制を整備する。

(4)職員の資質向上と人材育成

(1) 「研究開発システムの改革の推進等による研究開発能力の強化及び研究開発等の効率的推進等に関する法律」(平成20年法律第63号)の制定や研究開発を取り巻く情勢変化等を踏まえて、人材育成プログラムを改定し、これに基づき計画的な人材育成を図る。

(2) 研究者を対象とした競争的環境の整備、表彰制度等を活用したインセンティブの付与、博士号の取得奨励、在外研究の促進、行政部局等との多様な形での人的交流の促進等により、高い能力を持つ研究者の育成に努めるとともに、多様な雇用制度を活用し、研究者のキャリアパスを開拓する。

(3) 各種研修制度等を活用し、研究所のミッション遂行に必要な研究マネジメントに優れた研究管理者の育成を図る。

(4) 一般職員及び技術専門職員が高度な専門技術・知識を要する業務を行うために必要な資格や能力を獲得するための研修等に参加させる。

4.研究支援部門の効率化及び充実・高度化

(1) 研究支援業務については、研修等の共同実施、マニュアル等の共同作成など他の農業関係研究開発独立行政法人と共通性の高い業務を一体的に実施することにより合理化を図る。

(2) 総務部門において、業務内容の見直しを行うとともに、情報システムの運用により情報共有の促進や業務の電子化により事務処理の効率化を図る。

(3) 技術専門職の業務については、調査及び研究業務の高度化に対応した高度な専門技術・知識を要する分野に重点化するとともに業務の効率化、充実・強化を図る。

(4) 引き続き施設・設備、機械等の保守管理等の外部委託、人材派遣、契約職員の活用等により、研究支援部門の要員の合理化に努める。

(5) 農林水産省研究ネットワーク等を活用して、研究情報の収集・提供業務の効率化、充実・強化を図る。

5.産学官連携、協力の促進・強化

(1) 研究推進と研究成果の円滑な移転のため、国、公立試験研究機関、民間企業、大学等との共同研究及び人的交流を、積極的に行い、国、他の独立行政法人、公立試験研究機関、大学、民間等の参加を求めて、研究推進と研究成果の円滑な移転のための会議を毎年度開催し、相互の連携・協力の推進を図る。

(2) 他の農業関係研究開発独立行政法人とは、その役割分担に留意しつつ、人事交流を含めた連携、協力を積極的に行う。特に、独立行政法人国際農林水産業研究センターが実施する国際共同研究に必要に応じて協力する。

(3) 研究を効率的に実施するため、環境研究を行う他の独立行政法人等との連絡会の開催等により情報交換を行う。また、現場ニーズの把握や研究成果の普及のため、都道府県と連携して地域セミナー等を開催する。

(4) 連携大学院、連携講座及び教育研究協力に関する協定など、包括的協力協定( MOU:Memorandum of Understanding)の締結等により、大学との研究・教育に関する連携を強化する。

6.海外機関及び国際機関等との連携の促進・強化

(1) アジア地域における農業環境研究に関するイニシアチブを確保するため、前中期目標期間に設立したアジア地域における農業環境研究に関するコンソーシアムである MARCO(Monsoon Asia Agro-Environmental Research Consortium)を活用することにより、関係各国の研究機関・研究者との連携を強化し、人材の交流、共同研究や研究協力、国際農業環境研究に必要な人材育成等の取組を推進する。

(2) 農業分野からの温室効果ガスに関するグローバル・リサーチ・アライアンスにおける水田管理研究のコーディネート機関として、政府と連携して国際的な研究協力を推進する。

(3) 研究成果の国際的な利活用を図るため、MARCOの枠組みも活用し、国際シンポジウム、国際ワークショップ等を開催する。

(4) 海外研究機関との MOU を締結し、共同研究、研究員の交流を行う。

第2 国民に対して提供するサービスその他の業務の質の向上に関する目標を達成するためとるべき措置

1.試験及び研究並びに調査

(1)研究の重点的推進

別添」に示した研究を重点的に推進する。

なお、これらの研究の推進に当たっては、

(1) 環境問題をめぐる国際的動向等を踏まえ、関連する研究機関や国際機関との連携・協力の下、効率的に推進する。

(2) 他の農業関係研究開発独立行政法人との連携を一層強化し、各法人の有する研究資源を活用した共同研究等を効率的に推進する。

(3) 独立行政法人農業生物資源研究所がセンターバンクとして実施する農業生物資源ジーンバンク事業のサブバンクとして、センターバンクとの緊密な連携の下、遺伝資源の収集、保存、特性評価等を効率的に実施する。

(2)行政ニーズへの機動的対応

中期目標期間中に生じる行政ニーズに機動的に対応し、必要な研究開発を着実に実施する。

2.行政部局との連携の強化

(1) 研究の設計から成果の普及・実用化に至るまでの各段階において、農林水産省の行政部局の意見を研究内容や普及方策等に的確に反映させるため、関係行政部局と情報交換を密に行うことなどにより問題意識等の共有を図り、研究設計に反映するとともに、毎年度の研究成果を検討する会議等に関係行政部局の参加を求める。また、行政部局との連携状況については、毎年度行政部局の参画を得て点検し、その結果を踏まえ一層の強化を図る。

(2) 食品安全基本法(平成15年法律第48号)に基づく農業環境汚染等への緊急対応を含めて、行政からの要請に基づき、技術情報の提供、行政が主催する委員会等への専門家の派遣を行う。また、研究プロジェクトの推進に係るシンポジウム等を農林水産省との協働により開催する。

3.研究成果の公表、普及の促進

(1)国民との双方向コミュニケーションの確保

(1) 研究所及び研究者が自らの説明責任を明確にし、国民の視点に立った情報を提供するため、第3期の広報戦略を策定し、情報の受け手を考慮した情報提供と多様な媒体を活用した広報を実施する。

(2) 研究活動の内容や成果を国民に分かりやすく説明する双方向コミュニケーション活動(国民との科学・技術対話)を推進するため、研究者等の支援体制を整備する。特に、農業における地球温暖化への対応や有害化学物質による農作物汚染など国民の関心が高い分野を中心に、研究所一般公開、出前授業、各種の広報イベント等を活用し、国民との科学・技術対話の取組を進める。

(2)成果の利活用の促進

(1) 行政部局を含む第三者の意見を踏まえ、施策推進上の活用が期待される成果を「主要研究成果」として、中期目標の期間中において10件以上選定する。

(2) 「主要研究成果」を含む主な研究成果を研究成果情報として取りまとめ、ホームページで公開するとともに、積極的に広報と普及に努める。

(3) 過去の研究成果を含めて、様々なデータベース、マニュアル等として取りまとめ提供する。

(4) 他法人や民間等の高い応用開発能力を活用した共同研究等により、研究成果の利活用を図る。

(3)成果の公表と広報

(1) 研究成果は、国内外の学会、シンポジウム等で積極的に発表するとともに、中期目標の期間内に810報以上の査読論文を発表する。また、論文の量と併せて質の向上を図り、国際的に注目度の高い学術雑誌等に積極的に発表することとし、中期目標の期間内における全発表論文のインパクトファクター総合計値900以上とする。

(2) 研究成果の普及・利活用を推進するため、成果を分かりやすく取りまとめホームページに掲載するとともに、各種のシンポジウム、講演会、イベントを開催する。

(3) 記者発表による最新情報の発信をはじめとするマスメディアを通じた広報、広報誌等の印刷物、インターネット、農業環境インベントリー展示館や各種イベント出展等の様々な広報手段を活用し、効率的かつ効果的な広報活動を推進する。研究成果について、中期目標期間中に30件以上のプレスリリースを行う。

(4) 国際シンポジウムの開催及び国際的なメディアを通じた情報提供等、国内外に対する研究所の情報発信機能の強化を図る。

(4)知的財産権等の取得と利活用の促進

(1) 研究開発の推進に際しては、研究成果の実用化及び利活用を促進する観点から、研究成果の権利化や許諾等の取扱いに関するマネジメントを研究開発の企画段階から一体的に実施する。

(2) 我が国の農業の振興に配慮しつつ、実施許諾の可能性等を踏まえた権利化、研究成果の保全に向けた権利化など海外への出願や許諾を含めて戦略的に権利化等を進め、中期目標の期間内に25件以上の国内特許出願を行う。また、保有特許については、実施許諾の状況等を踏まえ、保有の必要性を随時見直す。

(3) 特許権等に係る情報の外部への積極的な提供等により技術移転を進め、中期目標の期間内における毎年度の特許の実施許諾数は6件以上とするとともに、技術移転に必要な取組を強化する。

(4) 農林水産研究知的財産戦略(平成19年3月農林水産技術会議決定)等を踏まえ、必要に応じて知的財産方針を見直す。

4.専門分野を活かしたその他の社会貢献

(1)分析及び鑑定

行政、各種団体、大学等の依頼に応じ、研究所の高い専門知識が必要とされ、他の機関では実施が困難な化学物質の分析、昆虫や微生物等の鑑定を実施するとともに、農業環境に係る様々な技術相談に対応する。

(2)講習、研修等の開催

(1) 農業環境に関する講習会や講演会等を開催するとともに、国及び団体等が主催する講習会や研修会等に積極的に協力する。その際、各講習等について受講者へのアンケート調査等により有効性等を検証し、講習内容等の改善に努める。

(2) 研究成果の普及による農業環境技術の向上に貢献するため、技術講習等の制度により、国内外の機関からの研修生を積極的に受け入れる。

(3)国際機関、学会等への協力

我が国を代表する農業環境に関する研究機関として、国際機関や国内外の学会に役員や委員として職員を派遣して、その運営に協力するとともに、情報の発信と収集を図る。特に、IPCC 等が開催する国際会議には積極的に職員を派遣する。

第3 予算(人件費の見積りを含む。)、収支計画及び資金計画

1.予算

平成23年度〜平成27年度予算

(単位:百万円)

区分 金額
収入
  • 運営費交付金
  • 施設整備費補助金
  • 受託収入
  • 諸収入
  •  
 
  • 14,498
  • 544
  • 3,556
  •  
  • 18,605
支出
  • 業務経費
  • 施設整備費
  • 受託経費
  • 一般管理費
  • 人件費
  •  
 
  • 3,824
  • 544
  • 3,556
  • 1,560
  • 9,122
  •  
  • 18,605

[人件費の見積り]

期間中総額 6,997 百万円を支出する。

ただし、上記の額は、総人件費改革の削減対象から除くこととする任期付研究者等に係る人件費を除いた額である。

なお、上記の削減対象とされた人件費と総人件費改革の削減対象から除くこととする任期付研究者等に係る人件費を合わせた総額は、7,395百万円である。(競争的資金、受託研究資金又は共同研究のための民間からの外部資金並びに国からの委託費、補助金の獲得状況等により増減があり得る。)

また、上記の額は、役員報酬並びに職員基本給、職員諸手当、超過勤務手当、休職者給与、国際機関派遣職員給与及び再雇用職員給与に相当する範囲の費用であり、今後の人事院勧告を踏まえた給与改定分は含んでいない。

[運営費交付金算定のルール]

1.平成23年度は、次の算定ルールを用いる。

運営費交付金 =(前年度一般管理費×α×δ)

+{(前年度業務経費−B)×β×δ}

+ 人件費 − 諸収入

人件費={前年度人件費(退職手当、福利厚生費を除く。)×人件費抑制係数(0.99)

×給与改定率(0.985)}+退職手当+福利厚生費

B=勧告の方向性を踏まえて効率化する額

諸収入=運営費交付金を財源として実施する事務・事業から生じるであろう自己収入の見積額

α: 一般管理費の効率化係数(0.97)

β: 業務経費の効率化係数(0.99)

δ: 消費者物価指数(平成21年度全国平均)(0.983)

2.平成24年度以降については、次の算定ルールを用いる。

運営費交付金(y)={A(y−1)×α×δ}

+{B(y−1)×β×δ}

+{人件費(退職手当、福利厚生費を除く。)

×γ+退職手当+福利厚生費}± ε − 諸収入

A(y−1): 直前の年度における一般管理費相当分

B(y−1): 直前の年度における業務経費相当分

α: 一般管理費の効率化係数

β: 業務経費の効率化係数

γ: 人件費抑制係数

δ: 消費者物価指数

ε: 各年度の業務の状況に応じて増減する経費

諸収入: 運営費交付金を財源として実施する事務・事業から生じるであろう自己収入の見積額

人件費=基本給等+休職者給与・国際機関派遣職員給与

基本給等=前年度の(基本給+諸手当+超過勤務手当)

×(1+給与改定率)

諸収入=直前の年度における諸収入×ω

ω: 収入政策係数(過去の実績を勘案し、各事業年度の予算編成過程において、当該事業年度における具体的な係数値を決定。)

(注) 消費者物価指数及び給与改定率については、運営状況等を勘案した伸び率とする。ただし、運営状況等によっては、措置を行わないことも排除されない。

[注記]前提条件

1.期間中の効率化係数を一般管理費については年97%、業務経費については年99%と推定。
なお、24年度以降の人件費抑制係数については、100%と推定。

2.給与改定率及び消費者物価指数についての伸び率をともに0%と推定。

3.収入政策係数についての伸び率を0%と推定。

4.勧告の方向性を踏まえて効率化する額は、54,074 千円とする。

5.百万円未満を四捨五入してあるので、合計とは端数において合致しないものがある。

2.収支計画

平成23年度〜平成27年度収支計画

(単位:百万円)

区分 金額
費用の部
  • 経常費用
    • 人件費
    • 業務経費
    • 受託経費
    • 一般管理費
    • 減価償却費
  • 財務費用
  • 臨時損失
18,628
  • 18,628
    • 9,122
    • 3,518
    • 3,443
    • 1,559
    • 986
収益の部
  • 運営費交付金収益
  • 諸収入
  • 受託収入
  • 資産見返負債戻入
  • 臨時利益
  •  
純利益
前中期目標期間繰越積立金取崩額
総利益
18,600
  • 14,192
  • 3,556
  • 845
  •  
△28
86
58

[注記]

1.収支計画は、予算ベースで作成した。

2.当法人における退職手当については、役員退職手当支給規程及び職員退職手当支給規程に基づいて支給することとなるが、その全額について運営費交付金を財源とするものと想定している。

3.「受託収入」は、農林水産省及び他府省の委託プロジェクト費等を計上した。

4.百万円未満を四捨五入してあるので、合計とは端数において合致しないものがある。

3.資金計画

平成23年度〜平成27年度資金計画

(単位:百万円)

区分 金額
資金支出
  • 業務活動による支出
  • 投資活動による支出
  • 財務活動による支出
  • 次期中期目標の期間への繰越金
18,605
  • 17,642
  • 963
資金収入
  • 業務活動による収入
    • 運営費交付金による収入
    • 受託収入
    • その他の収入
  • 投資活動による収入
    • 施設整備費補助金による収入
    • その他の収入
  • 財務諸活動による収入
    • その他の収入
18,605
  • 18,061
    • 14,498
    • 3,556
  • 544
    • 544

[注記]

1.資金計画は、予算ベースで作成した。

2.「受託収入」は、農林水産省及び他府省の委託プロジェクト費等を計上した。

3.「業務活動による収入」の「その他の収入」は、諸収入額を記載した。

4.百万円未満を四捨五入してあるので、合計とは端数において合致しないものがある。

4.自己収入の確保

特許実施許諾を促進するとともに、依頼分析・依頼鑑定、依頼研究員受入についてコストに見合う費用を徴収することなどにより自己収入の確保に努める。なお、受益者負担については、適宜見直しを行い適正な水準に設定する。

5.保有資産の処分

既存の施設・設備等保有資産のうち、利用率の改善が見込まれないなど不要と判断されるものを処分する。

第4 短期借入金の限度額

中期目標の期間中の各年度の短期借入金は、4億円を限度とする。

想定される理由: 年度当初における国からの運営費交付金の受入れ等が遅延した場合における職員への人件費の遅配及び事業費等の支払遅延を回避するため。

第5 不要財産又は不要財産となることが見込まれる財産がある場合には、当該財産の処分に関する計画

なし

第6 重要な財産を譲渡し、又は担保に供しようとするときは、その計画

なし

第7 剰余金の使途

研究成果の普及に係る発表会等の追加実施や研究業務の充実・加速に必要な研究機器等 の更新・購入等に使用する。

第8 その他農林水産省令で定める業務運営に関する事項等

1.施設及び設備に関する計画

業務の適切かつ効率的な実施の確保のため、業務実施上の必要性、既存の施設・設備の 老朽化の現状及び研究の重点化方向等を踏まえ、真に必要な施設及び設備の整備改修等を 計画的に行う。

平成23年度〜平成27年度施設、設備に関する計画

(単位:百万円)

施設・設備の内容 予定額 財源
研究施設の整備   施設整備費補助金
研究援助施設の整備    
機関維持運営施設の整備    
その他業務実施上必要な施設・設備の整備等  
合計 544 ± χ  

(注) χ: 各年度増減する施設、設備の整備等に要する経費

2.人事に関する計画

(1)人員計画

(1)方針

効率的・効果的な業務の推進が図られるように、適切な職員の配置を行う。また、研究分野の重点化や研究課題を着実に推進するために、職員を重点的に配置する。

(2)人員に係る指標

期末の常勤職員数は、期初職員相当数を上回らないものとする。

(参考:期初の常勤職員相当数183名)

(2)人材の確保

(1) 若手研究職員の採用に当たっては、原則として任期付雇用とテニュアトラック制を活用し、研究所の研究推進に必要な優れた人材を確保する。

(2) 研究職員における全採用者に占める女性の割合については、前期実績を上回るよう、女性研究者を採用するとともに、積極的に活用を図る。

(3) 次世代育成支援行動計画に基づき、仕事と子育てを両立しやすい雇用環境の整備に努める。

(4) 研究リーダーについては、広く研究所内外から優れた人材を確保するため、公募方式を積極的に活用する。

3.法令遵守など内部統制の充実・強化

(1) 研究所に対する国民の信頼を確保するため、業務に関わる法令や研究及び研究員の不正防止に関するガイドライン等について研修・教育を実施する等により、法令遵守や倫理保持を徹底する。

(2) 規制物質をはじめとする化学物質の管理については、化学薬品等管理規程の遵守、薬品管理システムの適確な運用等により管理の徹底を図る。職員への教育の徹底等により、放射性同位元素、遺伝子組換え生物等の法令に基づく適正な管理を行う。

(3) 研究所のミッションを有効かつ効率的に果たすため、理事長のトップマネージメントが的確に発揮できるよう内部統制の更なる充実・強化を図る。

(4) 研究所の諸活動の社会への説明責任を的確に果たすため、保有情報の提供業務を充実させるとともに、情報開示請求があった場合には適正に対応する。また、研究所における個人情報の適正な取扱いを一層推進する。

(5) 研究所の情報資産を保護するため、情報セキュリティポリシーの遵守を徹底する。情報セキュリティポリシーについては、「第2次情報セキュリティ基本計画」(平成21年2月3日情報セキュリティ政策会議決定)等の政府の方針を踏まえ、必要に応じて見直しを行い、情報セキュリティ対策の向上を図る。

4.環境対策・安全管理の推進

(1) エネルギーの使用の合理化に関する法律(昭和54年法律第49号)に基づき、エネルギー使用の合理化をより一層推進するため、研究所独自の環境マスタープランを策定し、施設の整備や維持管理に取り組むとともに、資源・エネルギー利用の節約、廃棄物の減量化とリユース、リサイクルの徹底、化学物質の管理の強化等を推進する。また、これらの措置状況については環境報告書により公表する。

(2) 事故及び災害を未然に防止するため、研究所に設置する環境・安全委員会等による点検、管理及び施設整備等の取り組みを一層推進するとともに、安全衛生に関する役職員の意識向上に向けた教育・訓練を実施する。

[別添] 試験及び研究並びに調査に係る研究の推進方向

1.地球規模環境変動と農業活動の相互作用に関する研究

(1)農耕地における総合的な温暖化緩和策の定量評価

2013年以降における気候変動対策に関する国際的枠組みの下で、農耕地における温暖化緩和策を効果的・効率的に実施するため、総合的な温暖化緩和策を定量評価する。

すなわち、圃場試験や室内実験から、農耕地における土壌炭素貯留と温室効果ガス発生に関与するプロセスを解明するとともに、新たに得られた観測データを活用し、それらを予測するモデルを改良する。

これらのモデルに加え、肥培管理・土地利用情報等の活動量データを整備・活用し、我が国農耕地におけるメタン及び一酸化二窒素の排出量と土壌炭素貯留変動量の予測を精緻化する。

さらに、それらのトレードオフ関係、有機物資源利用可能量、作物生産過程全体のLCA等を考慮した将来の農地管理オプションを策定するとともに、それに基づいた総合的な温暖化緩和策による温室効果ガス排出削減可能量を定量評価する。

加えて、モンスーンアジア地域における温室効果ガス排出等に関わる情報データベースとモニタリングネットワークを活用し、温暖化緩和策をこの地域に適用する場合の緩和ポテンシャルを評価する。

(2)地球規模環境変動に対する作物応答メカニズムの解明及び影響予測

将来予想される高CO濃度・高温環境に適したイネ品種や栽培管理技術の開発に資するため、イネの高CO濃度応答特性及び高温耐性メカニズムを解明するとともに、影響予測モデルを開発する。また、我が国及びアジア地域において、主要作物を対象に、気候変動に対する脆弱性を評価する手法の開発及び食料生産量の変動予測を行う。

すなわち、イネのCO濃度増加に対する応答が遺伝子型や栽培環境によってどのように異なるかを、開放系大気CO増加(FACE)実験やチャンバー実験等を利用して、個体、群落レベルで明らかにするとともに、将来頻発することが懸念される高温ストレスに対する、イネの耐性メカニズムを実験的に解明する。

また、これらのことから、地球規模環境変動に適応する技術の有効性を評価するため、気候シナリオで予測される将来環境での作物の生育、収量、品質を予測するモデルを開発する。

加えて、気候モデル計算結果のダウンスケーリング技術と圃場スケールでの作物の環境応答メカニズム研究や地域スケールでの収量変動予測に関する成果に基づいて、気候変動とその適応技術に対応する日本全国及びモンスーンアジアスケールでの食料生産量予測モデルを開発する。

さらに、IPCC 等による気候シナリオの下で起こりうる極端現象の多発や水資源の変動、及び土地利用変化も視野に入れて、気候変動に対する中長期での食料生産力の脆弱性を地域ごとに評価する手法を開発する。

2.農業生態系における生物多様性の変動機構及び生態機能の解明に関する研究

(1)農業生態系における生物多様性の変動メカニズムの解明と適正管理技術の開発

農業生態系における生物多様性の保全と農業生産との両立を図るため、農業活動が変化した時の生態系の構造及び代表的な生物群集の応答反応を解明し、生物多様性変化の予測手法を開発する。

すなわち、耕作放棄地の拡大等による生態系撹乱のパターンの変化が植物−昆虫類−鳥類の相互関係等に及ぼす影響を解明するとともに、環境保全型農業等の取り組みの効果を評価できる生物多様性指標とそれを利用した評価・管理手法を開発する。さらに、これらと生物多様性保全のための景観・植生調査情報システム(RuLIS)等を用いた広域での生物多様性の評価・予測手法を開発する。

また、不良環境耐性作物等の遺伝子組換え作物や外来生物が生物多様性に及ぼす影響の評価手法を開発するとともに、遺伝子組換え作物と非組換え作物の共存のための管理手法を開発する。

(2)環境調和型・持続的農業に役立つ生物・生態機能の解明

環境調和型・持続的農業技術の開発に資するため、農業生態系に生息する生物の有用機能を利活用するための基礎技術を開発する。

すなわち、雑草管理等への応用が期待できるマメ科植物等が生産するアレロケミカルの作用機構や生態系における機能を明らかにすることにより、農薬のリード化合物等の新規農業資材の開発につながる化合物を選抜する。

また、昆虫−昆虫間や、昆虫−植物間、昆虫−植物−天敵三者間の生物間相互作用に関わる情報化学物質を同定し、生態機能を解明するとともに、それらの利用法を開発する。

さらに、メタゲノム解析等を用い、物質循環等に関与する土壌微生物代謝の解明や土壌生物性評価技術の開発を行う。加えて、生分解性プラスチック等を分解する微生物や酵素及びその遺伝子の機能と発現機構を解明し、生分解性プラスチック製農業資材の分解制御技術等を開発する。

3.農業生態系における化学物質の動態とリスク低減に関する研究

(1)有害化学物質による農作物汚染リスクの低減技術の高度化

農業環境におけるカドミウム、ヒ素、残留性有機汚染物質(POPs)等の有害化学物質による農作物汚染リスクを低減するため、これら有害化学物質の土壌−作物系における動態及び植物による吸収機構を解明し、汚染リスク予測技術及び植物を利用した手法や物理・化学的手法等によるリスク低減技術の高度化を図る。

すなわち、野菜では POPs、主要な畑作物についてはカドミウムを対象に土壌の汚染程度から作物の汚染リスクを予測する技術を開発する。

また、畑作物中のカドミウムや水稲中のヒ素、野菜中の POPs の濃度を低減するため、植物の機能や物理・化学的手法を用いた土壌浄化技術、吸収抑制栽培技術を開発する。

(2)化学物質の環境動態予測技術と生態系影響評価手法の開発

農業環境中での農薬等の有機化学物質、硝酸性窒素、リン等の栄養塩類の動態を数理モデル化し、流域レベルの環境負荷を予測する技術を開発するとともに、それらの環境負荷が生物に及ぼす影響を評価する手法を開発する。

すなわち、水田を有する流域レベルにおける農薬、栄養塩類等の動態を包括的かつ定量的に記述する数理モデルを開発するとともに、面源汚染について、負荷量及びその対策技術の評価法を開発する。

また、水生動物、植物等の生物群集に農薬等が及ぼす影響を評価する手法を開発し、確率論を導入した農薬等の生態系影響評価法を開発する。

4.農業環境インベントリーの高度化

(1)農業空間情報とガスフラックスモニタリングによる環境動態の監視・予測

農業環境資源の情報化と広域的評価に資するため、ハイパースペクトルやこれまで未利用の波長域を利用したリモートセンシングデータの解析技術を開発するとともに、作物生産性、土地利用、植被、土壌特性等環境動態の高精度・広域評価手法を開発する。

これらの広域評価手法と、地上観測によるガスフラックスの経時的変動や、植物・土壌のガス交換の動的特性に関する成果を結合し、温室効果ガスフラックス、水・炭素動態、作物生産等を広域的に監視・予測するシステムを開発する。

(2)農業環境情報の整備と統合データベースの構築

農業環境資源及びこれらに係る情報の活用を促進するため、土壌、昆虫、気象等の個別のデータベースの整備・拡充を行い、データ活用手法を開発する。また、農業環境中の放射性物質については、モニタリングにより経時的推移を把握する。

また、全国的な土壌、気象、生物、土地利用、衛星画像、農業統計などの農業環境情報を一元的に提供できる農業環境情報統合データベースを構築する。

さらに、高い農業生産性と環境保全の両立に向けた農業生態系管理シナリオの策定に資するため、多様な空間情報、モデル、LCA 手法、統計手法等を活用し、温室効果ガスの排出、土壌炭素の貯留、生物多様性、地下水への硝酸性窒素の溶脱、窒素の広域フロー等並びに生産性を考慮した総合的環境影響評価(エコバランス評価)手法を開発する。