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情報:農業と環境 No.61 (2005.5)
独立行政法人農業環境技術研究所

井上吉雄氏: 日本作物学会論文賞を受賞

当研究所の職員である井上吉雄氏(地球環境部 生態システム研究グループ 研究リーダー)は、日本作物学会第219回講演会において日本作物学会論文賞(第2回)を受賞した。この賞は日本作物学会が刊行する論文誌である「日本作物学会紀事」および「Plant Production Science」に発表された論文の中でとくに優れた論文の著者に贈られるもので、同講演会の1日目(3月30日)に日本大学生物資源科学部大講堂において授賞式が行われた。受賞論文と授賞理由は次の通りである。

受賞論文

Yoshio Inoue:
Synergy of Remote Sensing and Modeling for Estimating Ecophysiological Processes in Plant Production.
Plant Production Science 6(1) : 3-16 (2003)

(植物生産における生理生態的プロセス評価のためのリモートセンシングとモデリングの統合化手法)

授賞理由

本論文は、まず近年のセンサ技術の進歩による光学〜熱赤外〜マイクロ波にわたる広範な波長領域における種々の電磁波信号を用いた計測技術について、その最先端の情報を整理・解説している。そして、それらを用いた携帯型センサあるいは航空機や人工衛星搭載のセンサによって得られる光・電磁波信号を、一枚の葉から生態系におよぶスケールで適用し、植物の生理生態的特性値を遠隔的に評価する方法について検討している。さらに、リモートセンシングと生態プロセスモデルの協働的利用に着目して解析を行い、光学、熱赤外、およびマイクロ波の各領域におけるケーススタディを通して、両者を結合した手法が植物の生理生態特性の評価に有効であり、一枚の葉〜耕地生態系〜地域にわたる多様なスケールに適用できる可能性を示したものである。本論文は、植物の生理生態学やリモートセンシング、精密農業管理、さらには資源と環境のモニタリング等に関わる研究分野に大きく貢献する優れた論文である。

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