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情報:農業と環境 No.62 (2005.6)
独立行政法人農業環境技術研究所

研究プロジェクト「外来植物のリスク評価と蔓延防止策」の開始

5月31日に文部科学省の17年度科学技術振興調整費の新規採択課題が発表された。農業環境技術研究所などが「重点課題解決型研究」プログラムの「環境保全・再生技術に関する研究開発・技術実証実験」として提案していた研究プロジェクト「外来植物のリスク評価と蔓延防止策」が新規課題として採択され、17年度から実施される。

プロジェクト実施の目的

このプロジェクトは、国内における外来植物の蔓(まん)延の実態とその要因を明らかにすること、防除対象とする外来植物を特定するために必要な生態系影響リスク評価法を開発すること、さらに、蔓延を防止するための総合防除技術を開発し、その効果の実証と生物多様性への影響の評価を行うことを目的としている。

プロジェクト実施の背景

近年、輸入飼料への混入などによる非意図的な侵入や、牧草や園芸作物としての人為的な導入によって、一部の外来植物が国内に定着して急速に分布を拡大し、日本固有の植生と交替したり、希少種の生息地に侵入したりする例が多くなっている。外来植物の定着や分布拡大には、気象や土壌の条件、繁殖能力・生長速度、天敵の有無、他感作用などがかかわっており、外来植物のリスク評価や防除法の決定を行うためには、これらの情報を収集し、科学的に判断する必要がある。

平成16年6月に「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律(外来生物法)」が成立・公布された。この法律は、外来生物による生態系、人の生命・身体、農林水産業への被害を防止するために、もともと日本にいなかった外来生物のうちで生態系などに被害を及ぼすものを特定外来生物に指定し、飼育、栽培、保管、運搬、販売、譲渡、輸入などを原則として禁止し、すでに定着している場合は積極的に防除することを定めている。この法律は平成17年6月1日に施行されたが、植物については3種のみが「特定外来生物」に指定され、このほかに「被害に係る科学的知見及び情報が不十分」であるため特定外来生物には指定されなかった植物60種類が「要注意外来生物」として公表されている。

プロジェクトの実施体制

この研究プロジェクトは、農業環境技術研究所生物環境安全部の藤井義晴研究リーダーを研究代表者とし、農業環境技術研究所、農業・生物系特定産業技術研究機構(畜産草地研究所)、岡山大学(資源生物科学研究所、環境理工学部)、日本植物調節剤研究協会、雪印種苗が分担・協力して実施される。

参考:「外来植物のリスク評価と蔓延防止策」の研究内容(PDFファイル)
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