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情報:農業と環境 No.63 (2005.7)
独立行政法人農業環境技術研究所

農林水産省大臣官房環境政策課との意見交換会が開催された

最新の研究成果を踏まえた施策の企画立案や行政ニーズに沿った研究開発の実施に資するため、地球温暖化や化学物質等にかかる行政施策と研究開発の動向について情報交換を行うことを目的として、当所と農林水産省大臣官房環境政策課との意見交換会が、今回初めて開催された。

日時: 平成17年6月17日(金)13時 − 17時45分

場所: 農業環境技術研究所 来賓室

出席者

(環境政策課)

塚本 環境政策課長、戸川 環境影響評価調整係長、朝倉 国際調整係員、米田 課長補佐、門脇 地球環境専門官、市川 環境経済係長

(農業環境技術研究所)

上路 理事、宮下 企画調整部長、谷山 研究企画科長、澤田 主任研究官、今川 地球環境部長、野内 気象研究グループ長、三輪 生態システム研究グループ長、八木 温室効果ガスチーム長、岡 生物環境安全部長、齋藤 化学環境部長、與語 有機化学物質研究グループ長、菅原 栄養塩類研究グループ長、上沢 農業環境インベントリーセンター長、遠藤 環境化学分析センター長

議事内容

1)あいさつ・紹介(上路理事、塚本課長)

2)農林水産環境分野の行政の動き(塚本課長)

3)京都議定書目標達成計画に基づく新たな政府の実行計画について(門脇専門官)

4)湖沼水質保全特別措置法の一部を改正する法律案について(米田補佐)

5)残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約(POPs条約)及び国内実施計画の概要(朝倉係員)

6)地球温暖化が農業生産に与える影響(野内グループ長)

7)農地土壌からの温室効果ガス排出量の算出及び排出抑制対策(八木チーム長)

8)POPs対策の取組内容と国際協力への活用方向(與語グループ長)

9)農地等の面源からの湖沼汚濁機構(菅原グループ長)

10)農業環境インベントリーの取組と行政側からの活用例(上沢センター長)

11)農業環境リスク分析(レギュラトリー・サイエンス)の取組内容と行政への関与(上路理事)

12)カナダにおける農業環境リスク指標について(三輪グループ長)

施設見学

1)農業環境インベントリー展示室

2)温室効果ガス発生抑制施設

3)ミニ農村

4)環境化学分析センター

質疑応答

環境政策課からの行政施策に関する情報提供として、1)京都議定書目標達成計画(*1)に基づく新たな政府の実行計画に関して、温室効果ガス削減のための燃料電池等の新しい技術の導入や省エネ改修等の実施、2)湖沼水質保全特別措置法の一部を改正する法律案(*2)に関して、面源から流出する汚濁負荷への対策が必要な地域の流出水対策地区指定と、計画の策定、対策のための措置の実施、3)POPs条約の国内実施計画(*3)に関して、POPs農薬の製造・使用等の禁止や埋設されたPOPs農薬等の管理・処理の実施、などが説明された。これらの計画の実効が上がらなければ、農業に対する何らかの規制が発動されることも考えられるので、研究サイドでの検討をお願いしたいとの要望があった。

また、研究所からの情報提供に対し、(1)温暖化影響予測で、降雨量の変動予測を考慮した作物の生育影響予測は行われているか、(2)京都議定書対応に関し、農地は二酸化炭素の吸収源か排出源か、(3)POPsの農地からの流出防止において、塩化カリウムによる懸濁物質の凝集効果はどのようなメカニズムで起こり、普及が可能か。また、POPsのバイオレメディエーション(*4)の普及の可能性はあるのか、(4)外来生物の遺伝子レベルでの交雑の実態は調査されているのか、(5)カドミウムの浄化技術は客土に代わりうるものなのか、(6)カナダの農業環境リスク指標を日本に導入可能かなど、研究の実用化・普及の可能性について多くの質問が、環境政策課側から出された。

今後も、情報を提供しあい、相互に協力することを確認して、意見交換会を終えた。

(注記)

*1 「京都議定書目標達成計画」

京都議定書における日本の温室効果ガス削減目標を達成するため、2005年4月に閣議決定された。
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/ondanka/kakugi/050428keikaku.pdf

*2 「湖沼水質保全特別措置法の一部を改正する法律案」

6月14日に法案が成立し同22日に公布された。
(対応するページが見つかりません。2011年1月)

*3 「POPs条約の国内実施計画」

残留性有機汚染物質(Persistent Organic Pollutants)に関するストックホルム条約により、締約国会議への提出が義務付けられている。現在、関係省庁連絡会議において作成作業が進められている。
http://www.env.go.jp/info/iken/h170610a/a-1_all.pdf (国内実施計画案)

*4 「バイオレメディエーション」

有害な化学物質で汚染された環境を、微生物を利用して修復・浄化すること。
http://www.naro.affrc.go.jp/archive/niaes/envchemi/body/bioremediation/bireme.html (解説)

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