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情報:農業と環境 No.67 (2005.11)
独立行政法人農業環境技術研究所

本の紹介 187: 地球環境の教科書10講、左巻健男・平山明彦・九里徳泰 編、東京書籍(2005) ISBN 4-487-80062-5

大学で「地球環境論」の講義を始めた編者のひとりが、環境教育などのメーリングリストを通じて新しいテキストの作成を呼びかけ、環境科学、生態学、環境経営、科学教育、環境教育などさまざまな分野の執筆者が協力して作り上げた本である。

(1)大学1、2年生のための学習テキストとして、(2)地球環境問題への入門書として、そして(3)中学校・高校などの環境教育の参考書としての3つの使い方を想定して、基礎データや基本的な知識、考え方から始まって、ていねいな記述がされている。

3章の2節「なぜ温暖化を防がなくてはならないか」は、予測の不確実性とリスクについての考え方から説き起こされている。7章「生態系の危機」では、生態系とはなにか、生物の多様性とはなにか、そしてなぜ保護が必要なのかが、順を追って説明される。最後の10章「環境科学は行動するために」では、環境ビジネスや環境経営への動向にふれ、また環境教育・環境学習の重要性についても述べられている。

コラムでは「世界がもし100人の村だったら」「足尾鉱毒事件と田中正造」「宮澤賢治と温暖化」「イースター島の悲劇」など、環境問題にかかわるさまざまなエピソードが紹介されており、コラムだけをひろい読みしても十分楽しめる本である。

目次

はじめに

1章 地球環境問題,何がどう問題?

1節 地球環境問題の見取り図

2節 地球の概観

3節 "宇宙船地球号"の未来

2章 公害・環境汚染

1節 日本の公害の歴史を振り返ろう

2節 公害・環境汚染をなくすために必要なことは何か

3章 地球温暖化の科学と政治

1節 どうして地球が温暖化するのか―地球温暖化の科学

2節 なぜ温暖化を防がなくてはならないか

3節 京都議定書の採択と発効―地球温暖化の政治

4章 酸性化する大気

1節 酸性雨とは?

2節 海を越える酸性雨

3節 ストップ ザ・酸性雨

5章 どうなる地球のエネルギー資源―石油は40年でなくなるのか?

1節 どうなる石油資源・化石資源―エネルギー資源問題

2節 原子力発電をどう考えるか―日本のエネルギー政策の現状と課題

3節 太陽エネルギーの時代へ

6章 オゾン層破壊がもたらすこと

1節 オゾンとオゾン層

2節 オゾン層が壊れると何が起こるのか

3節 フロンとオゾン層破壊

4節 オゾン層破壊に対する取り組み

7章 生態系の危機

1節 生態系(エコシステム)とは

2節 生態系の破壊と人工化学物質

3節 生物の多様性を守る意義

8章 あふれるごみ

1節 国内のごみ問題

2節 国際的なごみ問題

3節 ごみ問題の今後

9章 水の危機の時代

1節 地球上の水資源

2節 日本の水環境をめぐる問題

3節 21世紀は「水の世紀」

10章 環境科学は行動するために

1節 企業と環境

2節 自然から学ぶ

3節 環境教育の目指すもの

さらに学びたい人のために / 参考・引用文献一覧

執筆者紹介

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