渦相関法は、陸域生態系の炭素循環の解明を目的としたタワー観測ネットワーク(FLUXNET)において二酸化炭素(CO2)フラックスの測定法として採用されているだけでなく、植生や土壌と大気との間のCO2フラックスを測定するための標準的な方法として、微気象学の周辺分野でも利用者が急増しています。乱流生データの統計処理や、各種の補正、計算値に含まれる異常値の選別(品質管理)には、接地境界層の乱流輸送に関する専門知識が必要とされますが、公開されている処理プログラムは少なく、専門外の利用者のなかにはデータを正しく処理できていない事例がみられます。
農業環境技術研究所では、FLUXNETの最新の研究成果を取り入れた乱流生データの処理法を、専門外の人でも利用可能なプログラムにまとめ、成果情報として公表しました。これを機に、渦相関データ処理のための講習会を開催します。
記
1.目的:
回収した渦相関法のデータについて最低限の処理を行い、期間集計値を計算できるまでの技術の習得をめざす。
2.日程: 平成17年11月21日(月)〜25日(金)
3.場所: 農業環境技術研究所 153号室 (11月24日午前のみ、453号室を使用)
4.内容:
21日(月) 気象データの処理(品質の確認、異常値の除去、補完)
22日(火) 渦相関データの処理(10Hzデータの処理、品質の確認と異常値の除去)
23日(水) データ解析(古典的方法による光合成と呼吸の求め方、地表面熱収支)
24日(木) フラックスデータの補完(主としてLUT法とNLR法)
25日(金) 午前 各サイトの処理結果の報告と質疑
午後 ガス分析計(LI−7500)の校正のデモンストレーション、水田サイト見学
5.募集人員: 若干名
6.講師: フラックス変動評価チーム
7.問合せ先: (独)農業環境技術研究所 企画調整部 研究企画科
e-mail: kikaku@niaes.affrc.go.jp
8.締切: 平成17年11月15日(火)