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情報:農業と環境 No.72 (2006.4)
独立行政法人農業環境技術研究所

平成17年度農業環境研究推進会議の詳細

平成17年度農業環境研究推進会議が、2月24日、独立行政法人農業環境技術研究所において開催されました。この会議は、農林水産省の関係行政部局と関係研究機関などから要望を受け、農業環境研究に関する意見交換を行うことによって、研究所の研究推進を図ることを目的としています。

本会議

参加組織・機関

農林水産大臣官房、消費・安全局、生産局、農村振興局、農林水産技術会議事務局、肥飼料検査所、農薬検査所、中央農業総合研究センター、果樹研究所、花き研究所、野菜茶業研究所、畜産草地研究所、動物衛生研究所、北海道農業研究センター、東北農業研究センター、近畿中国四国農業研究センター、九州沖縄農業研究センター、農業生物資源研究所、農業工学研究所、森林総合研究所、水産総合研究センター、秋田県農業試験場、富山県農業技術センター、静岡県農業試験場、愛知県農業総合試験場、鹿児島県農業試験場、農業環境技術研究所 (計56名)

議事

1.あいさつ
独立行政法人農業環境技術研究所 理事長
農林水産省農林水産技術会議事務局 研究開発課長

2.平成16年度農業環境研究推進会議において行政部局および研究機関から出された要望等への対応状況

3.独立行政法人評価委員会による平成16年事業年度の評価結果報告

4.平成17年度評議会報告

5.平成17年度研究推進状況の総括

6.平成17年度に実施した研究会・シンポジウムの概要報告

7.平成18年度のプロジェクト・研究会・シンポジウム等の予定

8.行政部局および研究機関からの要望

検討の概要

議事2〜7

企画調整部長より報告・説明が行われ、了承されました。

議事8 行政部局および研究機関からの要望

行政部局および研究機関の参加者から次のような要望が出されました。

(1)農水省 大臣官房 環境政策課(現 環境バイオマス政策課) (最新の部署名、URLに修正しました。2010年12月) 佐々木企画係員

地球温暖化対策に関する研究開発については精力的に取り組んでいただいていると認識している。今後は、温暖化防止策のみならず、適応策に関してもその重要性が増していくと思われる。他独法や大学などと連携をとりながら、適応策にも取り組んでほしい。

農水省は現在、バイオマス・ニッポン総合戦略 (最新のURLに修正しました。2010年12月) の検証と見直しを進めているところである。その中でも特にエタノールなどの輸送燃料や木質バイオマスの重要性が増している。これらの利活用の推進につながるような研究を関係機関と連携しながら、より一層進めてもらいたい。

(2)農水省 消費・安全局 (最新のURLに修正しました。2010年12月) 農産安全管理課 新本調査官

カドミウムの問題が国内農業に与える影響はきわめて大きいが、そのリスク管理を進めていく上で3つのフェーズがあると考えている。1つ目は、リスクのある地域の推定・特定である。2つ目は、リスクのある地域で取るべき対策の検討である。これには客土、ファイトレメディエーション、土壌浄化などが考えられる。3つ目は、その対策の効果を判定することである。それぞれのフェーズごとに技術的な対応が必要であり、農環研に相談させていただいている。リスク推定やファイトレメディエーションについては、消費・安全局の交付金事業として都道府県による実証事業を推進しているところである。実証事業を各都道府県が進める上で調査計画の指針が必要となっており、この点について今後も指導していただきたい。

遺伝子組換え作物に関しては、各自治体でガイドラインが作られる動きがあり、隔離圃場試験でさえ実施が困難な状況になりつつある。一方、独法における開発サイドでは実用化が目指されているが、商業栽培にまで持ち込むには交雑・遺伝子流動の問題をクリアしなければならない。開発サイドと連携しながらこの問題を解消し、組換え体と非組換え体が「共存」できるように準備を進めていただきたい。

輸入ナタネには遺伝子組換え体が含まれているので、消費者や生産者の不安を解消するために、消費・安全局の調査事業として輸入港周辺での組換えナタネの生育実態を調査することにしている。現場の反応を見ながら研究を進め、このような実態を科学的に把握して管理できるようにすることが必要であり、引き続き技術面・研究面でご支援いただきたい。

(3)農水省 生産局 農産振興課 環境保全型農業対策室 (最新のURLに修正しました。2010年12月) 金澤課長補佐

環境保全型農業の効果や意義については、環境への負荷低減だけでなく、資源循環、地力増進、温室効果ガスの発生抑制などのさまざまな観点から多角的に評価する必要がある。そのために必要な技術的助言をお願いしたい。

今後は化学肥料の節減だけでなく、堆肥などの有機質資材の利活用も進めなければならない。適切な利活用法を確立するためには、多くの技術的問題を克服する必要がある。すなわち、資材の品質に関する適切な評価手法や施用技術の確立、あるいは現場における資材利用の実態把握や土壌の性質の変化に関する解析、新しい土壌管理指標の開発など、土壌管理技術の向上に資するような研究が重要となってくるので、そのための技術的助言をお願いする。

(4)農水省 農村振興局 資源課 (最新のURLに修正しました。2010年12月) 春日農村環境保全室長

資源保全施策 (対応するページが見つかりません。2010年12月)が平成18年度から600地区でモデル的に行われることになっており、平成19年からは本格導入される。その事業の中には、生態系への配慮のための取り組みも入ってくるが、必要な保全技術に関して農環研には協力をいただき、技術マニュアルも整備されつつある。今後この事業が進むにしたがって、資源保全施策の評価が必要となってくる。そのためには、生態系の客観的評価技術を開発しなければならないので、今後とも農環研の協力をいただきたい。

野生の鳥類にとって水田は貴重なエサ場になっているので、野生生物と水田の共生をいかに実現するかが今後重要な課題となる。エサ場として機能するような豊かな水田環境を確保しなければならないので、そのために必要な助言をお願いする。

外来生物の対策については農環研にご指導いただき、感謝している。外来生物との関係という視点から農業を考えると、一方では農業が被害者となる側面があるが、他方では法面緑化などをはじめとして加害者となる場面もある。被害者の立場からは、外来生物の適切な防除方法を確立して欲しいという要求がある。また、加害者の立場からは、代替手法を開発することが必要となってくる。どちらの問題についても適切なアドバイスをいただきたい。

(5)農水省 農林水産技術会議事務局 長谷部研究開発企画官

農業環境リスクに関する研究、その中でも特にレギュラトリーサイエンスというような行政に直結するような研究について、引き続き重点的に取り組んでほしい。

広報を充実させ、特にプレスリリースを活発にやっていただきたい。

(6)独立行政法人 肥飼料検査所 (現 独立行政法人 農林水産消費安全技術センター (現在のURLに修正しました。2014年8月) 田仲専門官

当所としては堆肥に強い関心を持っているので、残留する除草剤を対象にした簡易微量分析法に関して、今後とも情報提供をお願いしたい。また、汚泥をはじめとして肥料の多様化が進んでいるので、肥料や土壌の分析法について、今後も引き続きアドバイスをいただきたい。

(7)独立行政法人 農薬検査所 (現 独立行政法人 農林水産消費安全技術センター (現在の組織のURLに修正しました。2010年12月) 阪本検査部長

マイナー作物における農薬残留のモデル化、農薬の混用の安全性や大気への飛散について、今後とも情報提供をお願いしたい。

(8)果樹研究所 (最新のURLに修正しました。2014年8月) 生理機能部 朝倉環境応答研究室長

次期で組織が変わり、チーム制になるとテーマが限定されるようになり、環境問題にまで十分対応できなくなるので、その部分で協力いただきたい。

(9)花き研究所 (最新のURLに修正しました。2014年8月) 月星病害制御研究室長

生態中の微生物の1%しか特定されていない状態なので、残りの未知微生物を明らかにするための基礎研究を進めて欲しい。

(10)野菜茶業研究所 (最新のURLに修正しました。2014年8月) 吉富茶業研究部長

チーム制になり、土壌肥料や病害虫分野は各チームに分散することになるので、長期的・基礎的研究が難しくなる。農環研は基礎研究に注力し、情報提供をお願いする。

(11)畜産草地研究所 (最新のURLに修正しました。2014年8月) 小山山地畜産研究部長

草地生態系において環境に負荷を与えない管理と高い生産性を両立したいと考えている。また、農村環境を保全するという観点から、耕作放棄地において放牧を試みているところである。どちらの場面でも、環境への影響を評価することが求められることになるので、協力をいただきたい。

(12)動物衛生研究所 (最新のURLに修正しました。2014年8月) 宮崎安全性研究部長

各種環境汚染物質の家畜の健康に及ぼす影響や畜産物への蓄積に関する研究に対して、今後ともご協力をお願いしたい。また、家畜に中毒を起こす可能性のある有毒植物のデータベースを作成しているところであるが、外来植物の中にも毒性の強いものがあるようなので、データベースを充実させるために今後とも情報交換を希望する。

(13)北海道農業研究センター (最新のURLに修正しました。2014年8月) 山田生産環境部長

北農研の生産環境系は4つのチームに分かれる方向で動いているが、いずれも農環研の研究分野と非常に近いので、今後とも連携をお願いしたい。

(14)東北農業研究センター (最新のURLに修正しました。2014年8月) 矢島地域基盤研究部長

寒冷地温暖化研究チームと、カドミウムの耕種的な吸収抑制技術を研究するチームが新年度に東北農研に発足するので、今後とも連携を希望する。また、東北6県はいずれも環境に対する意識が高いので、農環研に対しても協力をお願いする。

(15)近畿中国四国農業研究センター 齋藤地域基盤研究部長

琵琶湖、瀬戸内海、ため池などの閉鎖系水域や傾斜地における環境保全型農業技術の開発に関して、農環研に今後ともアドバイスをいただきたい。地球温暖化や外来植物についても引き続きご指導をお願いする。

(16)九州沖縄農業研究センター (最新のURLに修正しました。2014年8月) 山田環境資源研究部長

異常気象に伴うコメの品質低下や暖地温暖化の対策技術の開発において、今後ともご協力いただきたい。

(17)農業生物資源研究所 平井研究企画官

遺伝子組換え植物の安全性評価・生態影響調査について、今後とも情報交換や研究協力をお願いしたい。

(18)農業工学研究所 (現 農村工学研究所 (現在の組織名、URLに修正しました。2013年12月)) 長利農村環境部長

OECDのハビタットマトリックスに関する研究について、引き続き連携をお願いしたい。また、資源保全施策については、農業・農村における資源の評価、管理技術を開発し、施設・資源の長寿命化を実現していきたいと考えているので、協力を希望する。

(19)森林総合研究所 佐藤研究管理官

3所連絡会において密に情報交換を行っているところであるが、今後とも連携・協力をお願いしたい。有害化学物質、自然共生、温暖化、バイオマス、生物多様性などのプロジェクトにおいても、引き続き協力いただきたい。

(20)水産総合研究センター 淀江研究調査部次長

海洋環境の中でも特に沿岸環境は、陸域の農業環境と密接な関係にあるので、今後とも連携・協力をお願いしたい。

(21)秋田県農業試験場(現 秋田県農林水産技術センター農業試験場 (現在の組織名、URLに修正しました。2010年12月)) 原田主任専門研究員

モデルやモニタリング技術の開発について、今後とも協力をいただきたい。

(22)富山県農業技術センター(現 富山県農林水産総合技術センター農業研究所) (現在の組織名、URLに修正しました。2013年12月) 土壌肥料課 大野指定試験主任

受託研究の契約日をできるだけ前倒しにしていただきたい。

(23)静岡県農業試験場 海岸砂地分場 高橋指定試験主任

長い時間、広い圃場面積の必要な環境研究を効率よく行うために、農環研の持っているノウハウを提供していただきたい。さらに、農環研以外の成果も取り込んだ上で、都道府県の試験場がすぐ使えるような形でツールとしてまとめてほしい。

(24)愛知県農業総合試験場 東三河農業研究所 糟谷主任研究員

今後とも「自然循環」プロジェクトをはじめとする環境関連の研究で協力をお願いする。

(25)鹿児島県農業試験場 大隅支場 (現 鹿児島県農業開発総合センター(組織名とURLを最新のものに修正しました。2010年12月)(URLを最新のものに修正しました。2013年12月) 古江土壌改良研究室長

新年度に体制が変わっても研究のネットワークが維持できるように、引き続き協力・連携をお願いしたい。

研究推進部会
議題: 「次期中期目標期間中における研究課題の展開方向」

参加組織・機関

消費・安全局、生産局、農村振興局、農林水産技術会議事務局、肥飼料検査所、農薬検査所、中央農業総合研究センター、果樹研究所、花き研究所、野菜茶業研究所、畜産草地研究所、動物衛生研究所、東北農業研究センター、近畿中国四国農業研究センター、九州沖縄農業研究センター、農業生物資源研究所、農業工学研究所、森林総合研究所、秋田県農業試験場、富山県農業技術センター、静岡県農業試験場、愛知県農業総合試験場、鹿児島県農業試験場、農業環境技術研究所 (計67名)

議事

1.理事長あいさつ

2.趣旨説明 (企画調整部長)

3.農業環境中における有害化学物質の動態解明とリスク評価手法及びリスク管理技術の開発 (化学環境部長)

4.農業生態系における外来生物および遺伝子組換え生物のリスク管理技術の開発 (生物環境安全部長)

5.農業生態系の構造・機能の解明と評価 (生物環境安全部長)

6.農業生態系の変動メカニズムの解明と対応技術の開発 (地球環境部長)

7.農業に関わる環境の長期モニタリング (環境化学分析センター長)

8.環境資源の収集・保存・情報化と活用 (企画調整部長)

9.総合討論

検討の概要

議題2について、企画調整部長より説明された。

議題3〜8について、化学環境部長、生物環境安全部長、地球環境部長、環境化学分析センター長および企画調整部長より、次期中期目標期間中における課題の展開方向が説明された。

評価部会
議題: 農業環境研究の主要成果候補についての検討

参加組織・機関

消費・安全局、生産局、農林水産技術会議事務局、肥飼料検査所、農薬検査所、中央農業総合研究センター、果樹研究所、野菜茶業研究所、畜産草地研究所、動物衛生研究所、東北農業研究センター、近畿中国四国農業研究センター、九州沖縄農業研究センター、農業生物資源研究所、農業工学研究所、森林総合研究所、秋田県農業試験場、富山県農業技術センター、静岡県農業試験場、愛知県農業総合試験場、鹿児島県農業試験場、農業環境技術研究所 (計49名)

検討の概要

検討の結果、農業環境技術研究所から提出された平成17年度主要成果候補26課題すべてが主要成果として採択された。なお、これらの主要成果は、秋田県農業試験場、富山農業技術センターおよび静岡県農業試験場海岸砂地分場から提出のあった主要成果合計3課題とともに、「農業環境研究成果情報(第22集)」として、平成18年3月末に公表された。

http://www.naro.affrc.go.jp/archive/niaes/sinfo/result/result22/result22.html

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