情報:農業と環境 No.72 (2006.4)
独立行政法人農業環境技術研究所
農業環境研究成果情報−第22集−が刊行された
平成17年度農業環境研究推進会議の評価部会で選ばれた農業環境技術研究所の主要成果が、平成18年3月に「農業環境研究成果情報 第22集」として公表されました。
農業環境技術研究所のWebサイトで、冊子版と同じ内容がPDFファイル (http://www.naro.affrc.go.jp/archive/niaes/sinfo/result/result22/result22.html) によって公開されています。
目次
A.農業生態系の持つ自然循環機能に基づいた食料と環境の安全性確保
- 中規模河川における懸濁性水質サンプルの採取位置による濃度差は小さい
- 水田土壌から分離した2,4−D分解菌の分解遺伝子はメガプラスミドに存在する
- キトビオースが誘導する放線菌の効率よいキチン分解機構
- クロロ及びメチルチオトリアジン系農薬を完全分解できる複合微生物系
- 珪藻の除草剤感受性を群集レベルの生育速度により簡易に検定する
- 雑草群落に混生する野生化したアブラナ属植物の種間交雑種子の検出
- キュウリ苗立枯病を抑える組換え微生物の土壌微生物相への影響
- 導入天敵昆虫等の新たな生態系影響評価方法と導入判断基準
- 外来昆虫ブタクサハムシの飛翔による分布拡大能力
- 浮遊シダ植物のサンショウモはスルホニルウレア系除草剤に対して感受性が高い
- 土壌中におけるL−DOPAの植物生育阻害活性の消長
- 固体NMRによるアロフェン・イモゴライトの検出とA l 配位数解析
- 13量体A l は根圏環境中で不安定なため生育阻害要因となりえない
- 高感度・高精度・迅速なシアナミド定量法
- アオコの増殖抑制植物を検定する「リーフディスク法」の開発
- 生物多様性保全のための景観・植生調査解析システム
B.地球規模での環境変化と農業生態系との相互作用の解明
- 大気CO2濃度の上昇と群落微気象要因を考慮したイネの穂温推定モデル
- 農耕地からの亜酸化窒素の排出係数は現在のI PCCデフォルト値よりも低い
- 積雪地域におけるスギ花粉の飛散開始日の推定
- 食料生産・消費拡大がもたらす東・東南アジアの水質変動の予測
- 野生動物の生息域拡大のしにくさを評価する手法の開発
C.生態学・環境科学研究に係る基礎的・基盤的研究
- XANESを用いた水田土壌中のヨウ素の非破壊形態分析とその溶脱機構
- 反射光の偏光特性を利用した作物個体群情報の計測方法
- 昆虫文献目録「三橋ノート」の画像データベースの作成と公開
- 130年にわたって採集された微生物さく葉標本の目録の作成と公開
- 植物生息細菌の定性・定量的解析とデータベースの構築
参考資料(指定試験から提出のあった成果情報)
- LCA手法による水稲不耕起移植栽培の温室効果ガス排出削減効果の評価
(秋田県農業試験場)
- ケイ酸石灰施用による代かき濁水由来の水質汚濁の低減
(富山県農業技術センター 農業試験場)
- 冬期掛け流し灌漑を行う場合の水田の硝酸性窒素除去能の推定式
(静岡県農業試験場 海岸砂地分場)