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情報:農業と環境 No.73 (2006.5)
独立行政法人農業環境技術研究所

秋山博子氏: 平成18年度文部科学大臣表彰若手科学者賞を受賞

当研究所の職員、秋山博子氏は平成18年度科学技術分野の文部科学大臣表彰において若手科学者賞を受賞しました。この賞は「萌芽(ほうが)的な研究、独創的視点に立った研究等、高度な研究開発能力を示す顕著な研究業績をあげた40歳未満の若手研究者」を対象とするものです。科学技術週間の行事として4月18日に表彰式が行われました。昨年度は牧野知之氏が同賞を受賞しており、当研究所の職員として2年連続の受賞となりました。

受賞業績、所属および研究業績の概要は以下の通りです。

地球温暖化防止分野における亜酸化窒素等の発生制御の研究
秋山博子 (企画戦略室 主任研究員)

研究の概要

温室効果ガスである亜酸化窒素(NO)の24%が農耕地土壌から発生しており、農耕地からのNOの発生量評価と発生抑制技術の開発が地球温暖化防止の観点から重要な課題となっている。

氏は、世界の水田から発生する窒素肥料由来のNOについて、実測データを収集、解析した結果、その発生率は施肥窒素量の0.31%であり、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の国別温室効果ガス発生目録ガイドラインが現在提示しているデフォルト値1.25%より著しく小さいことを明らかにした。また、NO発生を連続して測定できる長期自動連続測定装置を開発し、これまでは捉えることができなかった発生ピークを確実に捉え、正確な発生量を評価できるようにした。そして、わが国の黒ボク土畑では、被覆硝酸肥料がNO発生の抑制に最も効果的であることを明らかにした。

本研究成果は、これまで過大評価されていた水田からの亜酸化窒素発生量を見直すとともに、農業活動における温室効果ガスの発生を抑制することを通して地球温暖化防止に貢献するものとして期待される。

主要論文

1) Direct N2O emissions from rice paddy fields : summary of available data. Global Biogeochemical Cycles, vol.19, GB1005, 2005.

2) Effect of organic matter application on N2O, NO, and NO2 fluxes from an Andisol field. Global Biogeochemical Cycles, vol.17(4), GB1100, 2003.

なお、農業環境技術研究所の4月21日プレスリリース 「農耕地から発生する温室効果ガスである亜酸化窒素の発生量を正しく推定 −施肥法改善による抑制の可能性も明らかに−」 において、秋山主任研究員の最新の研究成果が公表されています。

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