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情報:農業と環境 No.77 (2006.9)
独立行政法人農業環境技術研究所

農林水産省大臣官房環境政策課との意見交換会が開かれた

農業環境技術研究所は、行政機関のニーズに的確・迅速に対応するため、行政の各部局との間で意見交換会や連絡会を開催しています。情報:農業と環境No.76では、農林水産省農村振興局資源課農村環境保全室との連絡会の報告をしましたが、今回は、平成18年7月28日に開催された農林水産省大臣官房環境政策課との意見交換会の概要を報告します。

農林水産省大臣官房環境政策課との意見交換会は、昨年は6月に農業環境技術研究所で開催され、研究所の研究内容の紹介と、所内の研究施設の見学がありました。今年は、開催場所を農林水産省とし、当所から佐藤理事長以下15名が出席しました。

まず、環境政策課から、現在取り組んでいる新しい施策が紹介され、「農林水産環境施策の基本方針」への取組みの状況や、「バイオマス・ニッポン総合戦略」について説明がありました。続いて、当所から、最近の研究成果を紹介し、茶園から水田へと流れる地下水中での脱窒による水質浄化や、気候変動に伴う食料生産変動の予測などについて、多くの質疑がありました。また、技術会議事務局から、最近の動向について紹介があり、「普及に移しうる・・・・成果」でなく、「普及に移せる・・・成果」が必要であるとの要望がありました。

最後の意見交換では活発な議論が交わされ、環境政策課からは農業施策に沿った研究を行ってほしいという要望が出されました。また、現在成果が出ている研究だけでなく、10年先、20年先に重要になるような「シーズ研究」も考えて行くべきであるとの強い要望がありました。シーズ研究の重要性についての認識は双方で一致しましたが、具体的な研究テーマについては今後の課題となりました。

開催日時: 平成18年7月28日(金) 14:00〜18:00

開催場所: 農林水産省 共用第5会議室

出席者

(農林水産省大臣官房環境政策課)

藤本 潔 環境政策課長、 落合 弘 課長補佐(自然環境班)、 木下 敏 課長補佐(地球環境班)、 門脇裕樹 地球環境専門官、 島本健一 国際情報係、 佐々木宏樹 企画係

(農林水産技術会議事務局)

小泉 健 研究開発企画官、 白戸康人 研究調査官

(農業環境技術研究所)

佐藤洋平 理事長、 宮下清貴 研究統括主幹、 遠藤正造 研究コーディネータ、 岡 三徳 研究コーディネータ、 今川俊明 研究コーディネータ、 藤井 毅 企画戦略室長、 井上恒久 連携推進室長、 野内 勇 大気環境研究領域長、 菅原和夫 物質循環研究領域長、 小野信一 土壌環境研究領域長、 與語靖洋 有機化学物質研究領域長、 平井一男 生物多様性研究領域長、 山本勝利 水田生物多様性リサーチプロジェクトリーダー、 秋山博子 企画戦略室主任研究員

議事

1) 農環研理事長 あいさつ

2) 環境政策課長 あいさつ

3) 環境政策課 業務説明

4) 農業環境技術研究所 研究課題の報告

(1) 地球温暖化対策について

・ 温室効果ガス排出削減技術の研究開発の状況について (秋山博子)

・ 地球温暖化が農林水産業に与える影響について (野内 勇)

(2) 農業活動が環境に及ぼす影響について

・ 地形連鎖系における窒素浄化について (菅原和夫)

・ 農薬の生態系影響評価について (與語靖洋)

(3) 農業と生物多様性について

・ 農業活動が水田の生物多様性に及ぼす影響について (山本勝利)

(4) 開発した技術の普及への取組み

・ 農地からのカドミウム除去のための技術開発について (小野信一)

5) 農林水産技術会議事務局 最近の動向について

6) 意見交換

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