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情報:農業と環境 No.78 (2006.10)
独立行政法人農業環境技術研究所

資料の紹介: 「森林・農地・水域を通ずる自然循環機能の高度な利用技術の開発」 成果集

農林水産業は、本来、自然に依存した産業であり、自然に生息するさまざまな生物の連鎖によって生み出された物質循環の中で営まれてきた。しかし、自然環境を構成する資源 (環境資源) が、農林水産業によって形成・保全され、持続的に循環利用されてきたしくみ(自然循環機能) については、まだ十分に解明されていなかった。

プロジェクト研究 「森林・農地・水域を通ずる自然循環機能の高度な利用技術の開発 (略称:自然循環プロジェクト) 」は、平成12年度から17年度までの6年間にわたり、森林・農地・水域を通じた自然循環機能を定量的に評価し、生産活動を通じてこの機能を最大限に発揮させるための技術を開発することを目的として、農業環境技術研究所、森林総合研究所、中央農業総合研究センター、水産総合研究センターなど多くの研究機関と試験場・大学の、森林生態系・耕地生態系・水域生態系をそれぞれの研究領域とする研究者が協力して実施された。

このプロジェクト研究の終了にあたって、主要な成果が、小冊子として公開されたので、その目次を紹介する。なお、この冊子の内容は、農業環境技術研究所Webサイトの 「プロジェクト研究」 − 「森林・農地・水域を通ずる自然循環機能の高度な利用技術の開発」 でも閲覧できる。

目次

自然循環プロジェクトの概要

研究の趣旨・目的

自然循環プロジェクトの枠組み

主な成果

研究実施課題

1. 地形連鎖系における自然循環機能の解明と向上技術の開発

2. 流域を対象とした農林水産生態系における自然循環機能の解明と管理指針の策定

主な成果

○森林域における窒素流出の広域評価

[森林総合研究所・名古屋大学]

○間伐による森林小流域からの窒素流出量の変化

[森林総合研究所]

○不攪乱大型土壌コア採取装置の開発とその応用

[中央農業研究センター]

○矢作川流域における面源からの窒素流出ポテンシャルの推定

[農業環境技術研究所]

○台地上の茶園に囲まれた水田群では脱窒が局所的に起きている

[愛知県農業総合試験場・農業環境技術研究所]

○冬期掛け流し灌漑により硝酸性窒素除去を行う場合の必要水田面積の算出法

[静岡県農業試験場]

○広島湾における低次生産構造と窒素循環の全体像

[瀬戸内海区水産研究所]

○矢作川水系の自然循環機能に基づく知多湾生態系の予測・管理手法

[中央水産研究所・愛知県水産試験場]

○森林・農地から流入する物質が河口・沿岸域の生物生産を支えている

[北海道区水産研究所・北海道大学]

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