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情報:農業と環境 No.78 (2006.10)
独立行政法人農業環境技術研究所

資料の紹介: 「環境影響評価のためのライフサイクルアセスメント手法」 研究成果報告書、 同 別冊: 「LCA手法を用いた農作物栽培の環境影響評価実施マニュアル」

農業はその生産基盤を自然の物質循環機能に依存しており、環境への適切な働きかけ (正の環境影響) によって環境を積極的に管理しながら生産が行われてきた。しかし、近年は、農薬や化学肥料など石油を原料とするさまざまな資材の使用、機械化や施設栽培化による大量のエネルギー消費などが進行し、農業が環境に与える負荷 (負の環境影響) は増大している。

プロジェクト研究 「環境影響評価のためのライフサイクルアセスメント手法の開発」 は、さまざまな農業生産活動によって生じる正と負の環境影響を客観的に評価するため、すでに工業製品などに適用されているライフサイクルアセスメント (LCA) 手法を農業において開発すること、そしてLCA手法による分析に基づいて、これまでの農業技術を見直し、環境への正の影響を最大化するような農業技術の開発に貢献することをめざした。

このプロジェクトは、1998年度に農林水産省農林水産技術会議事務局によって開始され、2001年度から2002年度までは、農業環境技術研究所と農業技術研究機構 (現農業・食品産業技術総合研究機構) の運営費交付金プロジェクトとして実施された。その成果は、「環境影響評価のためのライフサイクルアセスメント手法」研究成果報告書 (2003年)、および、その別冊である「LCA手法を用いた農作物栽培の環境影響評価実施マニュアル」として公表されており、その内容は、農業環境技術研究所Webサイトの 「プロジェクト研究」 − 「環境影響評価のためのライフサイクルアセスメント手法の開発」 でも閲覧できる。

ここでは、研究成果報告書と別冊マニュアルの目次を紹介する。

研究成果報告書 目次

はじめに

研究の要約

第1章 農業のためのLCA手法の開発及び生産形態別評価:総合評価及びLCA手法の開発

(1) インパクト評価法の開発

(2) 評価結果の特性分析及び重み付け

第2章 LCA評価に基づく持続可能な農業生産システムの開発

1. LCAの作物別農業生産技術への適応

(1)野菜作におけるLCAの農業生産技術への適応

1-1 キャベツ栽培におけるLCAの農業生産技術への適応

(2)畑作におけるLCAの農業生産技術への適応

2-1 大規模畑作地帯におけるLCAの農業生産技術への適応

2-2 茶栽培におけるLCAの農業生産技術への適応

2-3 暖地畑作物体系におけるLCAの農業生産技術への適応

(3)果樹栽培におけるLCAの農業生産技術への適応

3-1 カンキツ栽培におけるLCAの農業生産技術への適応

3-2 ナシ栽培におけるLCAの農業生産技術への適応

2. 大気・水・土壌環境からみたLCA評価の検討

(1)大気環境からみたLCA評価の検討

(2)肥料等の土壌への利用からみたLCA評価の検討

(3)土壌からの流出成分等からみたLCA評価の検討

3. LCAの総合評価に基づく新農業生産システムの確立

(1)稲作におけるLCA評価に基づく農業生産システムの確立

(2)野菜におけるLCA評価に基づく農業生産システムの確立

参考資料:作物別インベントリ表

LCA手法を用いた農作物栽培の環境影響評価マニュアル 目次

はじめに

注意事項/本書の構成

1章 本手法の概要と適用範囲

1. 本手法の概要と手順

2. 本手法の前提条件

3. 評価対象の環境影響項目について

2章 目的と範囲の設定

1. 目標の設定

2. 対象範囲の設定

3. 評価対象項目の設定

4. 収集データの決定

3章 データの収集

1. データの属性の取りまとめ

2. フロー図

3. データの収集及び取りまとめ

4. 利用した資料

4章 環境影響評価

1. 環境影響評価について

2. 本評価手法の概要

3. 各影響評価項目での手順

5章 解釈及び報告(公表)

1. 解釈

2. 報告について

3. クリティカルレビュー

おわりに

添付資料 (データの記入様式とデータの記入事例(ナシ栽培))

参考資料1 (LCAの概要)

参考資料2 (マニュアルに掲載している係数等の出典について)

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