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情報:農業と環境 No.89 (2007.9)
独立行政法人農業環境技術研究所

サマー・サイエンス キャンプ2007が開催された

農業環境技術研究所は、8月1日から8月3日の3日間、サマー・サイエンス キャンプ2007を実施しました。

サイエンス キャンプ は、独立行政法人 科学技術振興機構 (JST) が主催して、全国の協力研究機関が高校生・高等専門学校生を受け入れ、さまざまな科学技術分野の研究者・技術者の指導で実験・実習を行う「科学技術体験合宿プログラム」です。研究の現場を知り、日頃経験したことのない最先端の研究装置で身の回りのことを調べることなどによって、参加者が日常生活の中にある「不思議」を発見し、科学技術をより身近なものと感じられるようになることをねらいとしています。

今回の農業環境技術研究所でのキャンプは、A: 「農耕地から発生する温室効果ガスを観測する」、B: 「農村地帯の小河川の流量・水質を調べ、農村環境の変化を考えよう」、C: 「リモートセンシング技術を使ってイネの姿や健康状態をとらえてみよう」の3つのコースを準備し、各コース4名、計12名の参加者に、研究者がどのようにして農業環境を調べ、問題の解決に向けて取り組んでいるかを体験してもらいました。

各コースの内容

A: 「農耕地から発生する温室効果ガスを観測する」

(担当研究者: 物質循環研究領域 須藤、西村、秋山、八木)

Aコース(写真)

水田や畑は食料を生産する大切な場ですが、農耕地の土壌からは二酸化炭素、メタン、亜酸化窒素などの温室効果ガスが発生しています。どれも、大気中濃度はppmレベル(体積比で百万分の1)かそれ以下というわずかなものですが、地球の気候変動に大きな影響を与えています。このコースでは、温室効果ガスとはどのようなものかを学習し、実際に研究所内の水田から発生するガスを採取・測定しました。

B: 「農村地帯の小河川の流量・水質を調べ、農村環境の変化を考えよう」

(担当研究者: 物質循環研究領域 坂西、神田)

Bコース(写真)

農業環境の変化を調べるためには土壌、生物、土地利用などさまざまな調査方法があります。このコースでは河川の流量と水質を調べることで、農村を取りまく水環境の変化を見ます。まず、筑波山東麓の石岡市八郷地区の小河川で、実際の流量測定と水のサンプリングを行い、研究室で水質分析(懸濁物質、窒素、リンの各濃度)を行って、過去の水質調査データと比較しました。

C: 「リモートセンシング技術を使ってイネの姿や健康状態をとらえてみよう」

(担当研究者: 生態系計測研究領域 芝山、大東)

Cコース(写真)

人工衛星から撮影された画像が、国内外の農作物の栽培状況や品質、あるいは災害による被害の状況などを迅速かつ正確に知るために利用されています。このコースでは、リモートセンシングの原理を地上実験で学びました。携帯型スペクトロメータを使って研究所内の水田でイネからの反射光を測定し、同時にイネの葉の茂り具合や緑色の濃さなどを実測して、スペクトロメータの測定結果からイネの生育量や栄養状態を診断しました。

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