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情報:農業と環境 No.92 (2007.12)
独立行政法人農業環境技術研究所

本の紹介 245: 地球温暖化サバイバルハンドブック:気候変動を防ぐための77の方法、 デウィッド・デ・ロスチャイルド 著、 枝廣淳子・特別翻訳チーム 訳、 ランダムハウス講談社 (2007) ISBN978-4-270-00256-8

今年の猛烈な暑さは、わが国における最高気温の記録更新をはじめ、地球環境の変化が予想をはるかに超える勢いであることを実感させた。このような深刻な状況を少しでも緩和・抑制するために、温室効果ガスの排出削減に向けた研究開発が推進され、また、毎日の生活においても、温暖化防止にむけた積極的な取り組みの必要性がマスコミ報道等で訴えられている。

本年6月、「21世紀環境立国戦略」が閣議決定され、「ライフスタイルを見直し、人1日1kg のCO 削減を目指す国民運動」が提唱された。この運動では、温度調節 (冷房28℃、暖房20℃に)、水道の使い方(蛇口をこまめに閉める)、商品の選び方(エコ製品の購買を)、自動車の使い方(エコドライブ)、買い物の工夫とゴミ分別、電気の使い方(コンセントからこまめに)などによる削減方法を示している。

一方、本書は、冒険家で環境問題への意識改善と行動を呼びかける 「アドベンチャーエコロジー」 の創設者であるデウィッド・デ・ロスチャイルド氏により執筆され、日本語訳として紹介された。著者は、「今や地球を守ろうと考えるだけでは不十分」、「気候変動を防ぐために必要なスキルを準備できるように・・」、「考えるだけでなく行動しようという気持ちになる・・」 という基本的考え方に基づき、77のスキルを提示した。

77の最初の項目 「やるぞと言おう」 で、「地球温暖化防止のために自分もやるぞと言ったら最初の一歩を踏み出したことになる」 と強調している。すべての項目で、費用、時間、労力、効果の4つの事項について、たとえば 「1.やるぞと言おう」 では 「費用:0円」、「時間:いつも」、「労力:5段階評価で2」、「効果:5段階評価で5」 と評価している。77の方策は身近な生活環境の問題として具体的で、「どのような行動を実行することによって温室効果ガスの発生をどのくらい削減でき、そして、どの程度温暖化防止に貢献できるのか」 といった視点に沿っており、一般市民に対しても分かりやすく説得力が高いものといえる。

さらに、次の 「地球温暖化との闘いに役立つ簡単な10の方策」 を提示している。

1.冷暖房を1℃抑えよう。 2.電球を取り替えよう。 3.家電製品を待機状態にしない。 4.レジ袋をもらわない。 5.地元の店で買い物をしよう。 6.マイ・カップを持とう。 7.公共交通機関を使おう。 8.自転車か歩こう。 9.短時間のシャワーでよしとしよう。 10.何かを植えよう。

温室効果ガスの増加は気候変動の直接的な原因であり、そして、食料生産量の減少や海面上昇を引き起こすことが現実的になってきた。本書は米国での規制、生活様式などを中心にしてCO 削減に向けた方策の是非を解析しているが、「気候変動は現実の差し迫った脅威」、「今後の数年間にどう立ち向かうか、それが未来に大きく影響を与える可能性がある」、「一人ひとりの協力が必要」 などの視点は、地球全体の問題として緊急に取り組まねばならない課題である。

目次

まえがき

はじめに

温暖化の解決策:地球温暖化とは

地球温暖化との闘いに役立つ簡単な10の方策

本書の読み方

77の方法

手を尽くしても駄目だったら

あとがき

用語解説

ECOな生活を送るために有用なサイト

謝辞

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