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情報:農業と環境 No.99 (2008年7月1日)
独立行政法人農業環境技術研究所

研究プロジェクト 「農産物におけるヒ素およびカドミウムのリスク低減技術の開発」 の開始

ヒ素およびカドミウムに対して、農産物の汚染防止や低減を目指して、「農産物におけるヒ素およびカドミウムのリスク低減技術の開発」のプロジェクト研究課題を、平成20年度から新規に進めることになりました。

プロジェクトの背景

ヒ素については、農産物からの摂取において、わが国では米の寄与が大きいことが明らかになっていますが、人への健康影響を検討する上で重要な、化学形態別のヒ素の農作物栽培環境下における実態や動態は、現在明らかになっていません。カドミウムについては、食品安全委員会による健康影響評価が実施されており、この結果をふまえて、食品衛生法の基準が見直されることになっています。

カドミウムについては、これまで農林水産省委託研究である「農林水産業における内分泌かく乱物質の動態解明と作用機構に関する研究(平成11〜14年)」や「農林水産生態系における有害化学物質の総合管理技術の開発(平成15〜19年、有害化学物質)」で進めてきましたが、フードチェーンの中における汚染対策技術の観点からは、まだ実用化の段階まで進めることができませんでした。そこで、農林水産省委託研究「生産・流通・加工工程における体系的な危害要因の特性解明とリスク低減技術の開発」の中で、「農産物におけるヒ素およびカドミウムのリスク低減技術の開発」の課題で研究を進めることになりました。

プロジェクトの内容

水稲を中心に農作物中におけるヒ素濃度の低減に向けた栽培管理方法を開発するため、土壌中及び土壌−水稲間における化学形態別のヒ素の動態を明らかにします。畑作物についてカドミウム汚染防止技術を開発します。 本研究は、本研究分野でもっとも実績のある当研究所を中核研究機関とし、農業・食品産業技術総合研究機構 (作物研究所、野菜茶業研究所、近畿中国四国農業研究センター、東北農業研究センター)、大学 (千葉大学、東京農工大学、島根大学、広島大学)、公立試験研究機関 (14道県)、民間企業を共同研究機関として、以下の研究課題に取り組みます。

研究課題

1 水稲におけるヒ素の体系的なリスク低減技術の開発

(1) 水田土壌中のヒ素の化学形態別の存在実態の解明

(2) 稲の化学形態別ヒ素吸収パターンの解明

(3) 土壌特性に基づく玄米のヒ素汚染リスク予測技術の開発

(4) 加工・調理・保管による米中ヒ素の化学形態別ヒ素濃度の変動解明

(5) 土壌及び食品中の各化学形態別ヒ素の分析方法の確立と妥当性確認

2 畑作物におけるカドミウムの体系的なリスク低減技術の開発

(1) カドミウム汚染転換畑土壌の土壌洗浄による修復技術の開発

(2) 各種畑土壌におけるファイトレメディエーションによるカドミウム汚染土壌修復技術の開発

(3) 低吸収品種等を利用した作物のカドミウム吸収抑制技術の開発

(4) 資材等を利用した作物のカドミウム吸収抑制技術の開発

(5) 作物のカドミウム汚染リスク予測技術の確立

(6) カドミウムの簡易・迅速分析法の開発および応用

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