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情報:農業と環境 No.103 (2008年11月1日)
独立行政法人農業環境技術研究所

MARCOワークショップ 「アジアにおける自然資源管理のための土壌情報システムの新しい取り組み」 が開催された

土壌情報システム (SIS) は作物生産のための土壌情報だけでなく、環境影響評価や環境保全、野生生物の生息地および地球温暖化やエネルギー問題解決のための重要な情報を提供しています。アメリカやヨーロッパでは、とくに環境の視点からSIS利用が進められていますが、アジアでは、一部の国で土壌図のデジタル化や土壌データのデータベース化を主体とするSISの開発と利用が進められているにすぎません。

そこで、欧米および東・東南アジアの研究者と作物生産や環境保全のために有用なSISの研究開発や現場への普及について情報交換をおこなうとともに、東・東南アジアで共通なSISのプラットホームの構築について協議するため、アジア太平洋食糧肥料技術センター (FFTC) との共催、農林水産省生産局などの後援で本ワークショップを開催しました。

なお、MARCOとは Monsoon Asia Agro-Environmental Research Consortium (モンスーンアジア農業環境研究協議会) の略で、2006年に農業環境技術研究所が創設した、アジアにおける農業環境研究発展のための組織です。MARCOでは、国際シンポジウムなどの開催による情報交換、ウェブサイトなどを利用した情報公開および研究者の招へいや派遣による技術移転などをおこなっています。

日時: 平成20年10月14日(火曜日)9:30 〜 15日(水曜日)17:30

場所: つくば国際会議場 つくば市竹園2−20−3

共催: 独立行政法人農業環境技術研究所アジア太平洋食糧肥料技術センター (FFTC)

後援: 農林水産省生産局、(社)日本土壌肥料学会、 日本ペドロジー学会、 土壌保全調査事業全国協議会

参加者: 81名 (企業・団体6名、新聞社1名、都道府県8名、大学11名、他独法18名、農水省1名、農業環境技術研究所24名、海外12名:アメリカ、韓国、台湾、ベトナム、フィリピン、タイ、マレーシア)

プログラム

開会あいさつ

佐藤 洋平(農業環境技術研究所)

今井 秀夫(アジア太平洋食糧肥料技術センター)

セッション1. アメリカにおける土壌情報システム

1)土壌情報システムの開発と利用

William R. Effland(アメリカ農業局)

セッション2. アジアにおける土壌情報システムの開発を目指して

1)台湾の土壌分類システムとWRBおよびアジア土壌情報システム

Chen Zueng-Sang(国立台湾大学)

2)韓国の土壌分類

Song Kwan-Cheol(韓国農業科学院)

3)火山灰土壌生成学のためのデータベースの利用

南條 正巳(東北大学)

4)マレーシアにおける自然資源管理のための土壌情報システム

Eswaran Padmanabhan(クルチン工科大学・マレーシア)

5)日本における農耕地管理のための長期モニタリングデータベースの利用

太田 健(農研機構・中央農業研究センター)

6)ベトナムの土壌:分類、情報システムと利用

Ho Quang-Duc(ベトナム土壌肥料研究所)

セッション3.アジアの土壌情報システムの開発と利用

1)日本の農業環境研究のための土壌データベースの開発

小原 洋(農業環境技術研究所)

2)台湾における土壌情報システムの開発と利用

Guo Horng-Yu(台湾農業試験場)

3)韓国における土壌情報システムの開発と利用

Hong Suk-Young(韓国農業科学院)

4)新潟県における携帯型土壌情報システムの開発と利用

本間 利光(新潟県農業総合研究所)

5)タイにおける土壌情報システムの開発と利用

Somsak Sukchan(タイ土地開発局)

6)バイオ燃料作物生産評価のための土壌情報システム

Rodelio B. Carating(フィリピン土壌水管理局)

7)日本の土壌インベントリーシステム

中井 信(農業環境技術研究所)

ポスターセッション 11件

総合討議

閉会あいさつ

Chen Zueng-Sang(国立台湾大学)

ポスターセッション会場(写真)
ポスターセッション会場のようす

講演およびポスターセッションでは、各国の土壌分類システム、土壌図・土壌データの整備状況、土壌データの土地生産力評価や環境アセスメントへの適用、モデルを適用した土壌特性の予測手法および土壌情報システムの公開状況などが紹介され、それぞれの問題点や今後の対応について報告されました。

総合討議では、アジア土壌情報システム構築のための、目的、土壌分類システム、縮尺、フォーマットおよび記載項目・分析法の洗い直しなどが議論されました。

その後、議長である国立台湾大学 Chen 教授から、ワーキンググループを設置し、今後4年を目途にアジア土壌情報システムを構築するなどの声明案が提案されました。声明案の内容について検討し、ワーキンググループのメンバー、工程表、メールによる情報の交換および2009年のESAFS9(第9回東・東南アジア土壌科学連合国際会議、韓国で開催)におけるワークショップの開催などについて了承されました。

MARCOワークショップ(2008年10月)集合写真
ワークショップ参加者の集合写真

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