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情報:農業と環境 No.106 (2009年2月1日)
独立行政法人農業環境技術研究所

農業環境技術研究所 「環境報告書2008」 を公表

農業環境技術研究所は、昨年12月に 「環境報告書2008」 を公表しました。これまでに 「環境報告書2005」 、「環境報告書2006」、「環境報告書2007」が公表されており、この報告書は、本研究所の4冊目の報告になります。2007年度の実績を中心に、研究所における環境負荷低減の取り組みや、農業環境の安全性と持続性を追求する研究活動などを報告しています。

今回の環境報告書2008では、生物多様性にかかわる環境活動として、「農業環境技術研究所の防風林と街路樹」 を紹介しています。

以下に、報告書冒頭の理事長の「ごあいさつ」と報告書の目次をご紹介します。

農業環境技術研究所 環境報告書2008 「ごあいさつ」

ごあいさつ

独立行政法人 農業環境技術研究所 理事長 佐藤洋平

生態系は、生命維持のための機能を果たしており、人間活動を支える最も重要な基盤となって、種々のサービスを私たちに提供しています。栄養物の循環、生物多様性の維持、気候の安定化、大気や水の浄化などはそうしたサービスの例で、生態系サービスと呼ばれているものです。農業は、この生態系サービスを享受して食料や飼料、代替エネルギーなどを生産している産業であると言うことができます。

この農業は、生態系が有する自然循環機能を活用し生態系サービスを享受して食料、飼料、バイオマスなどを生産する過程において、人間の利益のために生態系を制御します。すなわち、種の選別、病害虫の防除、除草などのように、たくさんの生物種を選択除去する生物制御、耕耘や灌漑などのように、生態系の物的要素を改変する物理制御、農作物の収穫によって奪われる土壌中の養分を施肥によって回復する化学制御によって、より多くの稔りを求めます。この生態系制御を本質とする農業は、生命維持の基盤となる生態系に影響を及ぼし農業の持続性を脅かすという矛盾を内包しています。生態系を健全に活用する持続的農業の実現のために、その負荷の低減を図るなどの知識を獲得することが必要不可欠です。

2006年度を開始年とする第 II 期中期計画における研究計画は、農業生産環境の安全性を確保するための基礎的な調査および研究に重点を置いています。併せて、この研究計画を遂行するために、研究課題ごとに専門分野 (研究領域・センター) を横断するようにして研究課題の達成に必要な人材を集め、高い水準の成果を上げるべく研究体制を整えています。

私たちは、業務遂行において依拠すべき基本理念を定め、そのもとに、環境研究の推進や法令遵守などを行動指針とする行動憲章、さらに、環境への意識向上、環境への配慮、活動の公開、社会との共生を環境行動指針とする環境憲章を定め内外に公表して明らかにし、業務の効率的推進と併せて、コンプライアンスの重視と環境に配慮した行動を常に心がけています。このことは、「環境」 を冠する研究所であること、食の安全・安心を支える研究所であることから、業務に関わる法令順守はもとより安全性の確保を図ることが重要であるという認識に依拠しています。

こうした認識にあるにも関わらず、2007年度には、不適切な形での化学物質の所持や使用が発見されたことは極めて残念なことでした。直ちに監督署に報告するとともに、監督署の指示に従って必要な措置を講じました。所内の全薬品類を対象に徹底的に調査を行うとともに、化学物質の管理について特に厳重に行うための検討を行い、再発防止策を講じました。

本報告書は、2007年度の1年間における私たち研究所における環境配慮の取り組みについて報告するとともに、併せて、研究活動および研究成果の一端、さらには地域および社会に対する貢献を記載するなど農業環境技術研究所の業務を紹介しています。私たちは、基本理念に掲げる自然、社会、人間の調和と共存を目指す高い水準の研究を推進し、世界の食料問題と環境問題の克服に貢献するという農業環境技術研究の究極の目標に向けて邁進する所存です。みなさんには本報告書をご一読いただき、私たちの活動をご理解いただくとともに、みなさんから忌憚のないご意見、ご提言などをいただくことができますれば幸いに存じます。

環境報告書2008 目次

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