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情報:農業と環境 No.114 (2009年10月1日)
独立行政法人農業環境技術研究所

サマーサイエンスキャンプ2009 in 農環研 が実施された

農業環境技術研究所は、8月5日から7日までの3日間の日程で、サマー・サイエンスキャンプ2009を実施しました。

サイエンスキャンプ は、独立行政法人科学技術振興機構 (JST)が主催して、全国の協力研究機関に高校生・高等専門学校生を受け入れ、さまざまな科学技術分野の研究者・専門家の指導で実験や実習を行う「科学技術体験合宿プログラム」です。研究の現場を知り、日ごろ経験できない最先端の研究装置で身の回りのことを調べたりすることで、日常生活の中にある 「不思議」を発見し、科学技術をより身近なものに感じるようになることをねらいとしています。

今回の農業環境技術研究所でのサイエンスキャンプは、A:「残留農薬を測定してみよう」、B:「環境中の微生物の力を利用する」の2つのコースを用意し、各コース4名、計8名の参加者に、研究者がどのようにして農業環境を調べ、研究に取り組んでいるかを体験してもらいました。

各コースの内容

A: 「残留農薬を測定してみよう」

担当研究者: 有機化学物質研究領域 渡邉栄喜 (主任研究員)

写真1

安定した農作物の生産に農薬は欠かせません。日本では「農薬登録制度」や「農薬取締法」により、安全な使用についての指針が示されていますが、使用法を誤れば、農作物中に過剰な農薬が残留したり、環境を汚染したりすることがあります。そこで、農作物や環境中に残留する微量の農薬を測定することが大変重要になります。

このコースでは、生体内防御機構である抗原−抗体反応を応用した ELISA (Enzyme-Linked Immuno Sorbent Assay、免疫化学的測定法)を用いて農作物に残留する農薬を測定し、適切な農薬の使用について学びました。

写真2

(1) 農作物に残留する農薬を検出するELISA法の測定原理と実験機具の使い方を学びました。

(2) 既知濃度の農薬溶液とELISA試薬を使って「検量線」を作り、検出限界と測定可能範囲を確認しました。

(3) 実際の農作物を使って微量の農薬を測定し、作成した検量線に基づいて濃度を算出しました。

B: 「環境中の微生物の力を利用する」

担当研究者: 生物生態機能研究領域 北本宏子 (主任研究員) ・ 堀田光生 (主任研究員)

写真3

微生物や微生物が作る酵素は、食品加工や、医薬品生産などのほか、堆肥(たいひ)の生産や、生分解性プラスチックの分解など、いろいろな分野で利用されています。

今回は、酵素や微生物の力を利用し、さまざまなバイオマスを分解してエタノールを生成する実験を行いました。用いるバイオマス・微生物によってどのくらいの糖やエタノールが生成されるかを調べ、微生物の働きを学びました。

写真4

(1) バイオエタノールとはどのようなものか、どのようにして生成されるのかについて学びました。

(2) 酵素の力を利用して、植物バイオマスをグルコースなどの糖に分解する実験をしました。

(3) 植物バイオマス分解物に微生物(酵母)を加えて、バイオエタノールを生成させる実験をしました。

(4) 生成された糖やエタノールの量を測定し、バイオマスから生成される糖やエタノールの量や微生物の役割を考察しました。

写真5
 最終日の成果発表会・閉講式の後に記念撮影をしました。
(写真をクリックすると大きいサイズで表示されます)

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