11月5日(木曜日)13時〜17時、東京国際フォーラムにおいて、研究成果発表会 「地球温暖化と農林水産業−環境・食卓の現在と未来−」 の講演会とポスター発表が開催されました。
この発表会は、農林水産省プロジェクト研究 「地球温暖化が農林水産業に及ぼす影響評価と緩和及び適応技術の開発」 の研究成果を中心に、温暖化が農林水産業に及ぼす現在の影響、将来予測、対策および温室効果ガス削減方策を、生産者、消費者、地方行政担当者、学生などに分かりやすく講演で解説するとともに、個別の研究成果をポスターや試料・標本を展示しながら説明をおこなったものです。
講演会場の定員が240名のところに多くの事前申し込みがあり、途中で申し込みをお断りするとともに、当日は補助いすを出して来場者に対応しました。ポスター発表についても、講演会終了後に開始する予定を、急きょ、講演会との同時進行としました。このように、地球温暖化問題に対する関心の高さが伺われました。また、会場内が大変混雑したことと、ご来場いただけなかった皆様には、おわびを申し上げます。
参加者数は341名で、発表者の70名を除くと、試験研究、行政、企業、生産者・環境団体・個人がほぼ同数と、多方面の方々への研究成果の広報という目的を達することができました。
アンケートの感想では、
・ 悲観的でなく、前向きな展望が聞けて、これからに期待が持てた。
・ 比較的にわかりやすく説明しており理解しやすかった。地球温暖化による農業の変化を考えることができていい機会だった。
・ ポスター形式のおかげで色々な人と話すことができてよかった。
・ さまざまな要因がトレードオフの関係となるため、多分野で連携し、評価が必要と感じた。
など、研究成果の分かりやすい説明というこの発表会のもう一つの目的についても、ほぼ達成されたように思われます。
今後も、機会があれば、このような発表会を東京だけでなく地方でも開催していきたいと考えています。
なお、講演とポスター発表の概要を掲載した発表要旨集について余部がありますので、必要な方は研究コーディネータの谷山(E-mail:erosion@affrc.go.jp )までお申し込み下さい。
開催日時: 2009年11月5日(木)13〜16時講演 15〜17時 ポスター発表
開催場所: 東京国際フォーラムホールD7(講演会)、ホールD5(ポスター会場)
共催: (独)農業環境技術研究所、 農林水産省農林水産技術会議事務局、 (独)農業・食品産業技術総合研究機構、 (独)森林総合研究所、 (独)水産総合研究センター
参加者数: 341名
(団体33名、企業55名、行政57名、試験研究137名、教育・学生12名、マスコミ20名、個人・その他27名)
プログラム:
あいさつ: 農林水産省農林水産技術会議事務局長 佐々木昭博
(独)農業環境技術研究所理事長 佐藤洋平
(全体講演) 地球温暖化現象と農林水産業 谷山一郎(農環研)
農業における温暖化影響の現況・予測と適応技術 森永邦久(農研機構)
農業における温室効果ガス排出削減対策 八木一行(農環研)
林業における影響予測と温暖化防止技術 石塚森吉(森総研)
水産業における温暖化影響予測と適応技術 渡邊朝生(水研センター)
ポスター発表 69題
農環研からのポスター発表:
1.気候変化が水稲の生育・収量に及ぼす影響−開放系CO2 増加(FACE)実験による検証 (長谷川利拡)
2.近年の気象変動と水稲の生育・収量・品質 (長谷川利拡)
3.水田の二酸化炭素吸収・放出をはかる (宮田 明)
4.農地土壌は二酸化炭素の吸収源 (大倉利明)
5.土壌炭素量の変動をシミュレーションモデルで予測する(白戸康人)
写真1 講演会場 (研究成果発表会 「地球温暖化と農林水産業−環境・食卓の現在と未来−」)
写真2 ポスター発表会場 (研究成果発表会 「地球温暖化と農林水産業−環境・食卓の現在と未来−」)