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情報:農業と環境 No.117 (2010年1月1日)
独立行政法人農業環境技術研究所

農林水産技術会議事務局 「2009年農林水産研究成果10大トピックス」
農環研の研究成果 「カドミウム高吸収イネ品種によるカドミウム汚染水田の浄化技術 (ファイトレメディエーション)」 が第7位に

2009年12月17日、農林水産省農林水産技術会議は 「2009年農林水産研究成果10大トピックス」 を発表しました。これは、農業技術クラブ (農業関係専門紙・誌など29社加盟) の協力により、この1年間に報道された農林水産研究の成果から、研究開発の内容に優れ、社会的関心が高いと考えられる成果10件を選定したものです。

選定された研究成果は次のとおりです。

2009年農林水産研究成果10大トピックス

  1. イネの品種改良に新たな歴史を拓(ひら)く、いもち病抵抗性遺伝子の発見 −美味(おい)しく、いもち病に強い品種を開発−
  2. 「SUNTORY blue rose APPLAUSE」 新発売 −世界初の 「青いバラ」 がいよいよ発売−
  3. 米粉(こめこ)や飼料用米への利用が期待される九州向け水稲多収新品種 「ミズホチカラ」 を育成
  4. ブタゲノム塩基配列の概要解読が完了 −美味しく安心できる豚肉生産や医療用モデルブタ開発を加速−
  5. 微生物の 「休眠遺伝子」 を目覚めさせ、新たな抗生物質を発見 −世界初、新薬発見に向けた革新的技術−
  6. コメ等の穀物、野菜、果物、肉や魚介類など農畜水産物の産地や生産履歴を判別できる手法を開発した
  7. カドミウム高吸収イネ品種によるカドミウム汚染水田の浄化技術 (ファイトレメディエーション) を開発 −新たな低コスト土壌浄化対策技術として期待−
  8. 飲むワクチンを可能にする豚への免疫付与技術の開発 −一度で複数の感染症に対応することが可能に−
  9. 伝説の種雄牛 「安福(やすふく)」 号をクローン技術で復活
  10. 植物の免疫システムをかいくぐる、カビの 「ステルス作戦」 の発見 −病原カビに対する新たな防除法の開発に期待−

農業環境技術研究所の研究成果からは、第7位に 「カドミウム高吸収イネ品種によるカドミウム汚染水田の浄化技術 (ファイトレメディエーション) を開発 −新たな低コスト土壌浄化対策技術として期待−」 が選ばれました。

この成果は、農業環境技術研究所が、山形県農業総合研究センター、新潟県農業総合研究所、福岡県農業総合試験場、秋田県農林水産技術センター、三菱化学株式会社とともに、カドミウム高吸収イネ品種を用いたカドミウム汚染水田の浄化技術 (ファイトレメディエーション) を開発したものです。

カドミウムをよく吸収するイネを 「早期落水栽培法」 で2〜3作栽培することにより、汚染土壌中のカドミウム濃度を20〜40%低減できます。費用は一般的な客土工法の7分の1程度で、低コストな土壌浄化法として期待されます。

(参考)

・ プレスリリース (2009年8月21日 農業環境技術研究所)
「カドミウム高吸収イネ品種によるカドミウム汚染水田の浄化技術 (ファイトレメディエーション) を開発 ―新たな低コスト土壌浄化対策技術として期待―」

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