2009年11月25日(水曜日)から27日 (金曜日)までの3日間にわたり、幕張メッセ (千葉市美浜区)において、アグリビジネス創出フェア2009 が開催されました。このフェアは、農林水産・食品産業分野の最新の技術シーズや研究成果の実用化を支援し、研究者・技術者の新たな交流や連携の促進、来場者の研究ニーズとのマッチング創出を図ること目的とした技術交流展示会です。
農業環境技術研究所は、このフェアの後援団体の一つであり、ブース展示とプレゼンテーションを行いました。
農業環境技術研究所では、農業と食料の安全・安心のためのリスク管理や資源利用の研究や技術開発を行っていますが、今回のフェアでは、微生物を利用した研究成果を展示・ご紹介しました。
1 生分解性プラスチック(生プラ)を効率よく分解する微生物
生プラを利用することによりゴミの回収・処理のエネルギーを削減できます。使用後の生プラを強力に分解する分解菌 (酵母やカビ) とその能力をポスターと実物でご説明しました。
2 固体発酵によるバイオエタノールの生産
植物バイオマスの水分だけを使い、酵母や乳酸菌と酵素の力でエタノールと飼料を同時に生産する固体発酵法を開発しました。投入エネルギーが少なくゴミの出ない資源循環システムです。
3 微生物で有害物質メラミンを完全に分解
環境中の有害物質メラミンを分解する細菌を発見しました。シアヌル酸を分解する細菌群と組み合わせてメラミンの完全分解 (無毒化) が可能です。技術解説ポスターとともに灌流(かんりゅう)培養装置を展示しました。会場内で行われた研究・技術プレゼンテーションにも参加しました。
フェア初日の25日、会場内で「平成21年度(第5回)若手農林水産研究者表彰」が行われました。農業環境技術研究所の秋山博子主任研究員が「農耕地における温室効果ガス発生推定および削減に関する研究」で、他の2名とともに表彰状を授与されました。
写真 ブース内での説明(生プラ分解微生物)
写真 ブース内での説明(メラミン分解細菌)
写真 若手農林水産研究者表彰(秋山主任研究員)
写真 若手農林水産研究者表彰(他の受賞者・関係者との記念撮影)