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農業と環境 No.129 (2011年1月1日)
独立行政法人農業環境技術研究所

刊行物の紹介: 農業環境技術研究所年報 第27号 (平成21年度)

平成21年度(2009年度)の農業環境技術研究所年報が、昨年11月に刊行されました。農業環境技術研究所が発足した昭和58年度(1983年度)から数えて27冊めの年度報告です。

第1号から最新号までの内容のPDFファイルが、農業環境技術研究所Webサイト 内の 刊行物農業環境技術研究所年報 でダウンロードできますので、ご利用ください。

以下に、農業環境技術研究所年報 第27号の冒頭に収録された「はしがき」と目次を紹介します。

はしがき

地球温暖化問題に立ち向かうために、ポスト京都の枠組みを取り決めることを目的にCOP15が昨年12月にコペンハーゲンで開催されました。京都プロトコールから脱退した米国も参加して会期終了間際まで白熱した議論が展開されたことをマスコミ各社は報道していました。しかし、新たな枠組みを提示することなく散会しました。

とはいえ、この会期中には農業分野に関わる新たな活動が始動することになりました。温室効果ガスに関する国際研究ネットワーク 「農業分野における温室効果ガスに関するグローバル・リサーチ・アライアンス(GRA)」 の設立がニュージーランド政府から提案され、閣僚宣言によってそれは設立され、日本もそれに参加しました。本年4月にニュージーランドで最初の高級事務レベルの会合が持たれ、その中で、3つの研究グループの1つである水田研究グループについて日本がコーディネート国となり、私たちの研究所がコーディネート研究機関として登録されました。これまでの年報をお読み頂いているみなさんにはご案内のように、私たちの研究所は、水田からのメタンの排出抑制に関する研究実績が豊富であること、MARCOのネットワークを基盤にモンスーンアジアの国々における研究機関および研究者などとの研究交流を密に行ってきていることなど、こうしたこれまでの実績によって、GRA における重要な役割を担うに至ったものと理解しています。

このことは、これまでの研究実績や研究活動の積み重ねが次なるステージへと展開したほんの1例ですが、国内においても、農耕地からの温室効果ガス排出の抑制技術、農耕地土壌における炭素貯留技術、カドミウムで汚染された農耕地土壌を植物の活用によって修復する技術(ファイトレメディエーション)の実証試験への展開などがあります。このファイトレメディエーションについては、「カドミウム高吸収イネ品種によるカドミウム汚染水田の浄化技術(ファイトレメディエーション)を開発−新たな低コスト土壌浄化対策技術として期待−」 が平成21年農林水産研究成果10大トピックスに選ばれる栄誉に浴しました。数々の研究所から毎年数多くの研究成果が挙げられている中にあって、平成17年以降引き続き農林水産研究成果10大トピックスに選定されていることを誇りに思います。

そのほか、私たちの研究所に蓄積された農耕地土壌に関する情報、農業環境中の放射能レベルに関する情報などをデータベース化し公開しました。これまでに構築した数々のデータベースをインターネット上で公開していますので、研究所ホームページ http://www.naro.affrc.go.jp/archive/niaes/ を開いてみて頂き、ご活用頂くことをお勧めいたします。

この年報は、平成21年度における1年間の活動実績の報告です。みなさんに有用な情報を提供し役立つことを願っています。ご一読いただき、みなさんから忌憚のないご意見、ご提言などをいただくことができますれば幸いに存じます。

私たちは、基本理念に掲げる自然、社会、人間の調和と共存を目指す高い水準の研究を推進し、世界の食料問題と環境問題の克服に貢献するという農業環境技術研究所の究極の目標に向けて怠ることなく邁進する所存です。

平成22年10月
独立行政法人 農業環境技術研究所 理事長
佐藤 洋平

目次

はしがき

基本理念・行動憲章・環境憲章

 I. 研究実施の概要

A 農業環境のリスクの評価及び管理技術の開発

B 自然循環機能の発揮に向けた農業生態系の構造・機能の解明と管理技術の開発

C 農業生態系の機能の解明を支える基盤的研究

II. 平成20年度研究課題

1. 受託事業一覧

2. 法人プロジェクト研究課題一覧

III. 研究成果の発表と広報

1. 研究成果

(1) 研究成果情報

(2) 査読論文一覧

2. 広報

(1) 農業環境技術研究所が開催した研究会・シンポジウム

(2) 刊行物一覧

(3) 情報:農業と環境 (No.108〜119)

(4) マスコミへの情報提供と報道

3. 一般向け行事及び来訪者

(1) 一般向け行事

(2) その他の見学者・来訪者

IV.研究・技術協力

1. 共同研究

(1) 国内

(2) 国外

2. 行政等からの要請による委員会等への専門家の派遣一覧

3. 海外機関との連携

4. 受入研究員等一覧

5. 大学との連携

6. 依頼同定、分析および技術相談

 V. 総務

1. 機構

2. 人事

(1) 役職員数

(2) 人材育成に係る研修

(3) 受賞・表彰

(4) 叙勲

3. 会計

(1) 財務諸表

(2) 決算報告書

(3) 予算、収支計画及び資金計画

(4) 固定資産等

(5) 特許等一覧表

4. 図書

交通案内図

農業環境技術研究所配置図

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