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農業と環境 No.145 (2012年5月1日)
独立行政法人農業環境技術研究所

滝本貴弘 農環研特別研究員(大気環境研究領域): 日本農業気象学会奨励賞を受賞

2012年3月に大阪府立大学(堺市)で開催された日本農業気象学会2012年度全国大会で、大気環境研究領域の滝本貴弘 農環研特別研究員が日本農業気象学会奨励賞を受賞しました。

同学会の奨励賞は、優れた研究論文が同学会の学会誌に掲載された30歳以下の会員に授与されるものであり、今回は、滝本が岡山大学大学院環境科学研究科に在籍中に行った 「大麦と水稲の二毛作田における炭素収支の研究」(滝本貴弘ら (2010): 岡山県南部の大麦―水稲二毛作地におけるCOとCHフラックス特性, 農業気象, 66(3), pp.181-191) が受賞対象となりました。

この研究は、岡山県南部の児島湾干拓地内の二毛作地で、1年間にわたって実施した二酸化炭素(CO)とメタン(CH)の吸収・発生量(フラックス)の測定結果に基づいて、二酸化炭素フラックスの季節変化や、この地域の慣行である1週間を周期とする間断かんがいに伴う二酸化炭素とメタンのフラックスの特徴的な時間変動を明らかにするとともに、休耕期間を含む年間の二酸化炭素収支に、収穫・作物残さの処理、メタン発生、排水にともなう炭素移動量を含めて、生態系の炭素収支を定量化した労作であり、イネ・ムギ二毛作地帯の炭素収支の特徴を把握するうえで貴重な論文です。

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