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農業と環境 No.149 (2012年9月1日)
独立行政法人農業環境技術研究所

グローバル・リサーチ・アライアンス理事会 (6月 カナダ) 参加報告

GRAロゴ(Global Research Alliance on Agricultural Greenhouse Gasses)

昨年の「農業と環境」でご紹介した(No. 133No. 134No. 135)、農業分野の温室効果ガスに関するグローバル・リサーチ・アライアンス(GRA)の第2回理事会が、6月5日から8日まで、サスカトゥーン(カナダ)で開催されました(写真1)。

朝焼けのサスカトゥーン市街とサウスサスカチュワン川(風景写真)

写真1 朝焼けのサスカトゥーン市街とサウスサスカチュワン川

本理事会では、昨年6月にイタリア・ローマで開催された閣僚サミットと第1回理事会により正式発足した GRA の、その後1年間の活動と今後の計画を検討することが主な議題でした。また、前日の6月4日には、3つの研究グループ(農地、水田、畜産)と2つの分野横断グループ(炭素窒素循環、インベントリー)の議長と事務局による研究/分野横断グループ議長会合が開催されました。

研究/分野横断グループ議長会合では、それぞれのグループの活動状況と全体のとりまとめについて議論されました。水田研究グループからは、現在取り組んでいる測定方法の標準化や研究成果と研究者のデータベース化の状況、および日本政府から国際農業研究協議グループ(CGIAR)に供与される新たな拠出金事業 「水田からの温室効果ガス発生を削減する技術の多国間検証」 を紹介しました。また、研究/分野横断グループ全体の今後の課題が検討され、(1) グループ間の協調促進、(2) 地域組織や農業者まで波及した活動の実施、(3) 効果的なコミュニケーションの確保が挙げられました。(1)の推進のために、研究/分野横断グループ議長に事務局および理事会議長を加えたメンバーで3か月ごとに電話会談を行うこととなりました。

グローバル・リサーチ・アライアンス(GRA)理事会(会場内のようす)

写真2 グローバル・リサーチ・アライアンス(GRA)理事会

引き続き開催された理事会には、加盟33か国のうち21か国の代表、オブザーバー2か国、およびパートナー機関が参加し、議長国であるカナダの司会により議事が進められました。(写真2)

まず、研究グループおよび分野横断グループの議長国から、これまでの活動状況について報告があり、前日の研究/分野横断グループ議長会合で提案された今後の課題と計画について承認されました。また、研究/分野横断グループより理事会への要望として、(1) パートナー機関との連携方法の明確化、(2) 研究協力推進のための資金調達、(3) アフリカや東南アジアなどへ GRA 参加の働きかけ、(4) 開かれたコミュニケーションの必要性について言及されました。各国からは、アフリカへの働きかけは重要であること、技術移転は GRA の目標であることなどについて発言がありました。

次に、GRA における成果等の外部への公表に関する指針 「コミュニケーションポリシー」 が合意され、GRA を代表する外部コミュニケーションは理事会の承認を必要とする一方、研究グループを代表する外部コミュニケーションは研究グループの承認もしくは研究グループ議長にその権限が与えられることとなりました。

さらに、GRA が今後関係を構築していくべき外部パートナーについては、理事会において新規パートナーとの関係のあり方について指針作成を検討することになりました。今回の理事会では、GRA のパートナーとして、CGIAR(国際農業研究協議グループ)、世界銀行、IICA(米州農業協力機構)、IADB(米州開発銀行)から、活動内容が紹介され、意見交換がおこなわれました。

最後に、次回理事会の議長国・ホスト国としてウルグアイが選出されたほか、インベントリー分野横断グループは本年10月にガーナで次回のグループ会合を開催することが提案され、GRA 参加国の地域的広がりがうかがわれました。なお、ニュージーランドが引き続き事務局の役割を担っていくことも確認されました。

正式な設立から1年を迎える GRA の活動は順調に進行しており、水田研究グループの共同議長として、活動計画をさらに進展させる必要性を認識しました。そのためには、研究所内、国内他機関の研究勢力の協力を仰ぐと共に、参加各国への働きかけを強化する必要があります。他の研究/分野横断グループ (農地、インベントリー、炭素窒素循環(「農業と環境」No. 136)) の活動への参加も含めて、農環研のミッションと一致する GRA 活動への参加を継続、あるいはリードしていくつもりです。なお、次回の水田研究グループの会合は、来年1月にフィリピンで開催する方向で準備を進めています。

八木一行(研究コーディネータ)

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