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農業と環境 No.153 (2013年1月1日)
独立行政法人農業環境技術研究所

農業環境技術研究所研究成果発表会2012 「いのちと暮らしを守る農業環境」 開催報告

独立行政法人農業環境技術研究所は、平成24年11月30日(金曜日)、新宿明治安田生命ホール(東京都新宿区)において、「いのちと暮らしを守る農業環境」 をテーマとして、研究成果発表会2012を開催しました。

2011年の東京電力福島第一原子力発電所事故による農地や農作物の放射性物質汚染など、国民の食の安全に対する関心が高まる中、農業環境技術研究所では、農業生産を支える環境の保全と改善に貢献すべく研究開発を進めています。この発表会は、放射性物質や有害化学物質による農産物への影響、外来雑草や土地利用の変遷など一般市民の身近ないのちと暮らしに直結する最新の研究活動や成果を、広く一般の方々に紹介するために開かれました。

今回は、前回の研究成果発表会(2010年)に引き続き、サイエンスライターであり、農林水産技術会議の委員も務められている松永和紀氏をお招きし、研究者と聴衆の橋渡しをお願いしました。

発表会では、まず、宮下C貴 理事長による開会のあいさつ、農林水産省農林水産技術会議事務局の西郷正道 研究総務官のあいさつの後、最近の研究成果から5題のトピックスを紹介しました (土壌−植物系での放射性セシウムの挙動とその変動要因、 原発事故から1年半〜農地の現状、 カドミウムをほとんど吸収しない水稲の開発、 セイタカアワダチソウを抑えて在来植生に戻す、 歴史地図にみる関東の里山と農村の今昔)。

それぞれの発表に対して、司会・ファシリテータの松永氏によりフロアからの質問や意見が引き出され、活発な質疑が交わされました。放射性セシウムの挙動の発表では、バーミキュライト等による吸着能や施肥の効果、農地の現状の発表では、放射性セシウムの分布が時間的に変化しうることへの対応などが議論されました。また、カドミウム低吸収米の発表では、ほかの作物や有害化学物質に対しても技術を応用できないか、セイタカアワダチソウの発表では、土壌化学性以外の要因やアルミニウム使用の制限について、歴史地図の発表では、草地植生が多かった理由や関東地方以外の状況について、質問やコメントがあり、議論を深めました。

参加者にお願いしたアンケートへの回答では、発表テーマが適切に選択されておりどれも興味深い内容であった、司会の松永氏の進行やコメントがよかった、各発表ともわかりやすく工夫されていて聞きやすかった、長期間の蓄積が成果の土台になっていることがよくわかった、このような科学コミュニケーションを通じて今後も積極的に一般の方に研究成果を伝えてほしい、長期にわたる研究を粘り強く続けてほしいなど、好意的なご意見や今後の活動への期待が寄せられました。

開会前と休憩時間には、第3期中期計画(平成23年度開始)に対応するリサーチプロジェクトの活動をポスターで紹介し、熱心な議論が交わされました。

当日の参加者は185名でした。内訳は、一般市民や企業・団体の方104名、大学から4名、都道府県関係機関から14名、農林水産省などの行政13名、独法研究機関から12名、当研究所から38名でした。

当日の講演の要旨、リサーチプロジェクト紹介ポスター、講演時に使用した図表などのPDFファイルを公開していますので、特設ページ をご覧ください。

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