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農業と環境 No.154 (2013年2月1日)
独立行政法人農業環境技術研究所

第33回アジアリモートセンシング国際会議 (11月 タイ) 参加報告

2012年11月26日〜30日にタイ王国パタヤで開催されたアジアリモートセンシング国際会議 (The 33rd Asian Conference on Remote Sensing: ACRS2012) に参加しました。アジアリモートセンシング国際会議は、毎年開催されるアジア最大のリモートセンシング国際会議であり、「アジアの、アジアによる、アジアのための」 リモートセンシングの国際会議です。

開会式のようす(第33回アジアリモートセンシング国際会議)(写真)

写真1 開会式のようす

会場となったホテル(第33回アジアリモートセンシング国際会議)(写真)

写真2 会場となったホテル

パタヤといえばタイの首都バンコクからも比較的近く、1960年代にベトナム戦争帰還兵のための保養地として整備されたアジア有数のリゾート地として有名です。しかし、今回会場となった Ambassador City Jomtien ホテルはパタヤの中心地から少し離れているため周囲にはほとんど店がなく、ホテルの中で完結しているという感じでした。今回驚いたのは、ロシア人の多さです。泊まったホテルでも英語表記よりもロシア語表記の方が大きく多いくらいでした。

アジアリモートセンシング国際会議で扱われる内容は、農業、森林、アルゴリズム、災害、環境、資源、GIS、写真測量、地図、健康科学、センサー、衛星と多岐にわたっています。そのような中、今年は rice (稲作) のセッションが別に設けられました。発表の内容としては、合成開口レーダを用いたアジア各国でのモニタリングに関するものや、MODIS を用いたメコンデルタのモニタリング、インドが新しく打ち上げた衛星による水田モニタリング、タイによる地上と衛星によるモニタリングに関するものでした。欧米で開催される国際学会で水田による稲作を対象とした研究成果の発表と、それに関する討議の場が設けられることはまれであり、アジアで開催される国際会議ならではと言えるでしょう。また、衛星を用いた水田観測への関心がそれだけ増大しているということでもあると思います。

事務局発表によると、今回は参加国44カ国、参加人数1,052人、発表件数は口頭発表が259件、ポスターが119件とのことでした。著者は、2日目に 「Detection Accuracy of Waterlogged Paddy Fields Using Wide Fine Mode of RADARSAT-2」 と題したポスター発表を行い、台湾やマレーシア、タイの研究者と意見を交換しました。以前に比べ、東南アジアで合成開口レーダを扱う研究が増えたと感じられ、有意義な情報を得ることもできました。また、GEO (Group on Earth Observation) -GLAM (GLobal Agricultural Geo-Monitoring) のアジア地域ミーティングにオブザーバーとして参加し、水田をターゲットとして衛星観測スーパーサイトの設定など、今後の活動戦略などについて意見交換を行いました。

バナナの葉で作られた灯ろう(第33回アジアリモートセンシング国際会議)(写真)

写真3 バナナの葉で作られた灯ろう

天灯 (紙製の風船の下部に燃焼部があり、熱気球と同じ原理で空に揚がっていく)(第33回アジアリモートセンシング国際会議)(写真)

写真4 天灯 (紙製の風船の下部に燃焼部があり、熱気球と同じ原理で空にあがっていく)

今回は会期中にロイ・クラトン (loy krathong) を迎えたため、伝統的なロイ・クラトンに関する催しも行われました。ロイ・クラトンは農業の収穫に感謝し、水の女神コンカーに祈りをささげるお祭りで、バナナの葉で作った灯ろうを流したり、天灯 (スカイランタン、コムファイ) と呼ばれる熱気球を空に飛ばしたりします。参加者にも灯ろうが用意され、川がないため海に灯ろうを流したり、天灯を揚げたりして異国の農業のお祭りを体験することができました。

来年度は2013年10月20日〜24日にインドネシアのバリで開催される予定です。

石塚 直樹(生態系計測研究領域)

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