独立行政法人農業環境技術研究所は、10月16日(水曜日)から19日(土曜日)の4日間、つくば国際会議場 (エポカルつくば) などにおいて、MARCO ワークショップ 「持続的農業生態系管理のための環境負荷の評価と削減」( MARCO International Workshop 2013 Evaluation and Mitigation of Environmental Impacts in Agricultural Ecosystems for Sustainable Management ) を開催しました。
開催期間: 平成25年10月16日(水曜日)〜19日(土曜日)
開催場所: つくば国際会議場ほか
主催: (独)農業環境技術研究所
共催: 東北大学大学院農学研究科
後援: (独)科学技術振興機構
開催趣旨:
農業環境技術研究所と東北大学大学院農学研究科を中核とする研究グループが、(独)科学技術振興機構(JST)の支援により中国科学院南京土壌研究所と進めている以下の国際共同研究の成果発信を目的とする。合わせて、海外から関係分野の指導的立場にある研究者を招へいし、意見交換を図る。
(1) 「日本と中国の農業生態系流域における窒素循環およびその水質に及ぼす影響に関する比較研究」(JST-NSFC: 平成20〜25年度)
(2) 「水田から発生する温室効果ガスの削減技術の開発とその削減ポテンシャルの評価」(JST-MOST: 平成24〜26年度)
議事概要:
10月16日 および 17日午前 (つくば国際会議場)
出席者: 合計68名 (6か国、中国人8名、日本人56名、うち農環研から22名)
ホッヘンハイム大学 (ドイツ) Georg Cadisch 博士による基調講演
フランス国立科学研究センター(NCSR) Jose Miguel Sanchez Perez 博士による基調講演
中国科学院植物研究所 Huang Yao 博士による基調講演
アグリサーチ (ニュージーランド) Mark Lieffering 博士による基調講演
会議場のようす (10月17日)
海外の研究者を招き熱心な討論が行われた (10月17日)
[16日午前] 独、仏、中、ニュージーランドより招へいした4名の研究者から、流域物質循環のモニタリングとモデリング、温室効果ガス発生緩和策と影響評価・適応策に関する基調講演 (PDFファイル) をそれぞれいただいた。
[16日午後] 上記の国際共同研究 (1) の成果に関する一般講演13題(日本側7題、中国側5題、その他(仏)1題)を行った(最後の1題は翌日に回した)。
[17日午前] 上記の国際共同研究 (1) の成果に関する一般講演3題(日本側3題)、および上記国際共同研究 (2) の成果に関する一般講演4題(日本側2題、中国側2題)を行った。
10月17日午後 〜 19日 (エクスカーション)
参加者: 合計22名 (6か国、中国人9名、日本人6名、うち農環研から2名)
農研機構畜産草地研究所那須研究拠点において、研究拠点での研究概要を紹介し、温室効果ガス発生量計測ほ場を見学した。さらに、那珂川流域での流域物質循環モニタリング地点や周辺の農業生態系を見学した。
所感およびフォローアップ:
会議の目的である、研究成果の発信と研究情報と意見の交換を計画通りに行うことができた。今後は、研究成果の論文発表をさらに進めることを確認した。国際共同研究 (1) は今年度で終了するが、この共同研究で得られた成果を日中両国でさらに進めるとともに、交流を継続することを確認した。また、国際窒素イニシアティブ(INI)が計画している窒素管理に関する国際共同研究プロジェクトの策定に寄与することとした。一方、国際共同研究 (2) は次年度まで継続予定であり、中国の水田におけるプラスチックマルチによる温室効果ガス削減技術などのほ場試験とモデルによる広域評価をさらに進めることとした。