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農業と環境 No.169 (2014年5月1日)
独立行政法人農業環境技術研究所

刊行物の紹介:農業環境技術研究所報告 第33号

農業環境技術研究所は、2014年3月に農業環境技術研究所報告 第33号 を刊行しました。

農業環境技術研究所公開ウェブサイト内の 農業環境技術研究所報告のページ (http://www.naro.affrc.go.jp/archive/niaes/sinfo/publish/bulletin.html) から、掲載された研究資料のPDFファイルをダウンロードできます。

ここでは、この号に掲載された研究資料について、表題、摘要、目次を紹介します。

「人工湿地の水質浄化機能の評価ならびにビオトープにおける生物相の変化と管理手法の検討」−鯉淵学園農業栄養専門学校と農業環境技術研究所のMOUに基づく共同研究− (研究資料)

阿部 薫・駒田充生・大熊哲仁・荒城雅昭・田中幸一・楠本良延・安田耕司

「はじめに」より抜粋

公益財団法人農民教育協会 鯉淵学園農業栄養専門学校(以下、鯉淵学園)では、2001年からキャンパス内の畜舎や学生寮、学生食堂などから排出される廃棄物や食品残渣等を有効活用し、堆肥や肥料、飼料として再利用を図るなど、学園内の循環システムの構築を目ざした 「環境保全・循環型農業の実証研究」 が実施されていた。その中で、学生寮から合併浄化槽処理の後に隣接するため池に放流されていた生活排水の水質をさらに浄化するため、人工湿地とビオトープを経由させる方策の計画案があった。

農業環境技術研究所(以下、農環研)は、2004年2月に鯉淵学園と 「環境保全と循環型農業に関わる教育研究協力」 の覚書(MOU)を締結したことから、鯉淵学園の教育活動への支援・協力の一環として、人工湿地による生活排水の水質浄化機能の評価、およびビオトープにおける生物多様性の評価と管理方法の確立を目指した共同研究を行うこととなった。

調査対象とした人工湿地(約5a)とビオトープ(約15a)は、2004年の3月から4月上旬にかけて、鯉淵学園北西部に位置する湿田に造成された。この地域は鯉淵学園の敷地内でも標高が低い場所であり、学園西地区の農業及び生活排水は大部分がここを通過し、隣接するため池(東池)を経由して涸沼川に至る。人工湿地内流入する水は学生寮の合併浄化槽処理水であり、この水は人工湿地を経由してビオトープ内に流れ込む。一方、ビオトープにはこのほかにも上流からの水田排水や湧水、少量の生活排水が加わる。

人工湿地には造成時にマコモが植栽された。またビオトープにはガマ、マコモ、ハンノキ、コナギ、ハナショウブ、スイレン、オモダカ等が敷地内から移植され、その後、年2〜3回の頻度で陸域部の草刈りが実施された。

人工湿地における水質調査は造成後から開始され、2006年から測定項目を増やして2010年まで継続した。またビオトープでは、昆虫相と線虫相に関する調査を2006年から2011年、植物相に関する調査を2007年から2011年まで実施した。このような調査の結果、人工湿地による水質浄化機能の評価およびビオトープにおける生物相の変化と管理方法等に関して、それぞれ貴重な成果を得ることができたので、その概要を報告する。

目次

I  はじめに

II  ビオトープ内人工湿地における水質浄化機能

III  ビオトープにおける植物相の変化と生物多様性

IV  ビオトープにおける水生昆虫相の変化

V  ビオトープ・水田の土壌線虫相

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