独立行政法人農業環境技術研究所は、6月7日(土曜日)午後、つくば国際会議場 (エポカルつくば) において、MARCO ワークショップ 「火山灰土壌の生成・分類とそのモンスーンアジアにおける利用」 を開催しました。
本ワークショップは、第20回世界土壌科学会議 ( 20WCSS: 韓国済州島、平成26年6月8日〜13日) の開催を契機に、世界の陸域面積の1%に満たないが、わが国を含む環太平洋造山帯の火山地帯に固有の火山灰土壌 (火山灰を母材とする黒ボク土およびその類縁土壌) について、その生成・分類・利用に関するこれまでの研究をレビューし、これらの土壌資源のこれからの保全のありかたとモンスーンアジア農業における利用を考える場とすることを目的としました。
開催日時: 2014年6月7日(土曜日) 13:30〜17:15
開催場所: つくば国際会議場(エポカルつくば) 中ホール200(茨城県つくば市竹園2−20−3)
使用言語: 英語
参加者: 海外研究者22名 (オーストラリア、ベルギー、ブルガリア、フランス、ドイツ、イラン、イタリア、ポーランド、ニュージーランド、ポルトガル、スイス、英国、米国、フィリピン)、 国内33名 (農環研26名、大学3名、その他2名)
プログラム:
開会・歓迎挨拶
宮下C貴(農環研理事長)
櫻井克年(日本ペドロジー学会長(高知大学))
基調講演
黒ボク土の生成・分類・利用に関する諸課題 南條正巳 (東北大学)
一般講演
フィリピンにおける黒ボク土の性質 Rodelio Carating (フィリピン土壌・水管理局)
黒ボク土の腐植物質の化学構造 平舘俊太郎 (農環研)
黒ボク土における養分動態 鹿沼信行(群馬県農業技術センター)・大倉利明(農環研)
黒ボク土におけるイオン吸着と移動過程 加藤英孝 (農環研)
黒ボク土からのDNA回収手法 對馬誠也 (農環研)
参加者のうち、海外研究者は本ワークショップに先立って開催された 20WCSS 日本巡検に参加し、関東平野外縁部の火山地域を訪れて火山灰土壌の生成の現場を観察していたため、ワークショップの各講演について、多くの質問を発していました。また、わが国における火山灰土壌 (黒ボク土) の研究成果をもっと国際的に発信すべきとの指摘もあり、今回知り合った研究者らとのネットワークを拡充し、農環研の蓄積された研究成果をいっそう積極的に国際舞台で発信することが重要であると感じられました。
ワークショップ参加者 −国際色豊かな会合となった−