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農業と環境 No.173 (2014年9月1日)
独立行政法人農業環境技術研究所

農林水産技術会議事務局「研究成果」シリーズ紹介(16): 生産・流通・加工工程における体系的な危害要因の特性解明とリスク低減技術の開発[化学物質(第1編)]

農林水産省農林水産技術会議の委託プロジェクト研究 「生産・流通・加工工程における体系的な危害要因の特性解明とリスク低減技術の開発」(2008〜2012年度)の研究成果が取りまとめられ、2つの研究課題(「農産物におけるヒ素およびカドミウムのリスク低減技術の開発」 および 「野菜等における POPs のリスク低減技術の開発」) の成果が、「プロジェクト研究成果シリーズ521(PDFファイル 18.0 MB、240 ページ)」 として公表されました。

(研究成果521「序文」より抜粋)

近年、BSE 問題など食品の安全性を脅かす重大事件の発生が相次いだことを契機として、農林水産省は、食品中の危害要因を事前に把握し、生産から消費に至る食品供給の各段階において必要な対策を講ずる 「リスク管理」 に取り組んでおり、科学的な根拠に基づいて危害要因を解析するとともに、危害要因への暴露を低減するための技術開発を進めている。

本研究は、このことを背景とした研究の一環として、農産物におけるヒ素及びカドミウムのリスク低減技術、並びに野菜等における POPs (難分解性有機汚染物質) のリスク低減技術として、土壌からカドミウムを洗浄・除去する技術の開発、カドミウム吸収抑制資材の施用量を半減できるうね内部分施用法の開発、作付けの可否を土壌中 POPs 濃度から診断する技術の開発、作物の POPs 吸収を低減する資材の開発などを行ったものであり、食品安全行政、特に生産現場における農畜水産物の安全性の確保に関わる行政の関係者の方々においては、本研究成果の十分な活用、及び各方面への周知に努めて頂ければ幸いである。

このプロジェクト研究のウェブサイト:生産・流通・加工工程における体系的な危害要因の特性解明とリスク低減技術の開発 では、研究の成果をまとめた冊子(PDFファイル) 「研究トピック」、「技術情報集」 をご覧になれます。

また、このプロジェクトに関連する農業環境技術研究所の主要研究成果が以下のように公開されています。

以下に、研究成果521から、担当機関やおもな研究課題などをご紹介します。

○研究期間・予算区分

2008年度〜2012年度
農林水産省農林水産技術会議 生産・流 通・加工工程における体系的な危害要因の特性解明とリスク低減技術の開発研究(委託プロジェクト研究)

○研究担当機関

独立行政法人
農業環境技術研究所

独立行政法人(委託先)
農業・食品産業技術総合研究機構 (作物研究所、野菜茶業研究所、北海道農業研究センター、東北農業研究センター、近畿中国四国農業研究センター)

大学等(委託先)
東北大学、東京農工大学、千葉大学、広島大学、島根大学、愛媛大学、九州大学、情報・システム研究機構統計数理研究所

都道府県
北海道立総合研究機構中央農業試験場、岩手県農業研究センター、秋田県農林水産技術センター、山形県農業総合研究センター、福島県農業総合センター、栃木県農業試験場、埼玉県農林総合研究センター、東京都農林総合研究センター、新潟県農業総合研究所園芸研究センター、富山県農林水産総合技術センター、長野県農業試験場、滋賀県農業技術振興センター、兵庫県立農林水産技術総合センター、高知県農業技術センター、福岡県農業総合試験場、熊本県農業研究センター、鹿児島県農業開発総合センター

企業(委託先)
太平洋セメント株式会社、三菱化学株式会社、株式会社住化分析センター、味の素ファインテクノ株式会社、合同会社カーバンクル・バイオサイエンテック

○主任研究者等

主査

(独)農業環境技術研究所 理事長 佐藤洋平(2008−2010年度)

(独)農業環境技術研究所 理事長 宮下C貴(2011−2012年度)

プロジェクトリーダー/チームリーダー

有機化学物質研究領域長     與語靖洋(2008−2010年度)

研究コーディネータ       與語靖洋(2011−2012年度)

課題リーダー(1 農産物におけるヒ素およびカドミウムのリスク低減技術の開発)

土壌環境研究領域上席研究員   荒尾知人(2008−2010年度)

土壌環境研究領域長       西尾 隆(2011年度)

土壌環境研究領域長       谷山一郎(2012年度)

サブリーダー(1-1 水稲におけるヒ素の体系的なリスク低減技術の開発)

土壌環境研究領域上席研究員   荒尾知人(2008−2010年度)

土壌環境研究領域長       西尾 隆(2011年度)

土壌環境研究領域長       谷山一郎(2012年度)

サブリーダー(1-2 畑作物におけるカドミウムの体系的なリスク低減技術の開発)

土壌環境研究領域長       小野信一(2008年度)

土壌環境研究領域長       西尾 隆(2009−2010年度)

土壌環境研究領域主任研究員 牧野知之(2011−2012年度)

課題リーダー(2 野菜等における POPs のリスク低減技術の開発)

有機化学物質研究領域長     與語靖洋(2008−2010年度)

研究コーディネータ       與語靖洋(2011−2012年度)

サブリーダー(2-1 フードチェーンにおける POPs の暴露に関する評価技術の開発)

有機化学物質研究領域主任研究員 清家伸康(2008−2012年度)

サブリーダー(2-2 POPs のリスク管理技術の開発)

有機化学物質研究領域上席研究員 大谷 卓(2008−2010年度)

有機化学物質研究領域長     大谷 卓(2011−2012年度)

サブリーダー(2-3 POPs のリスク評価・管理のための共通基盤技術の開発)

有機化学物質研究領域長     與語靖洋(2008−2010年度)

研究コーディネータ       與語靖洋(2011−2012年度)

○研究課題

1 農産物におけるヒ素およびカドミウムのリスク低減技術の開発

(1)水稲におけるヒ素の体系的なリスク低減技術の開発

1)水田土壌中のヒ素の化学形態別の存在実態の解明

2)稲の化学形態別ヒ素吸収パターンの解明−ヒ素吸収の品種間差異の解明−

3)稲の化学形態別ヒ素吸収パターンの解明−水管理等を考慮したイネのヒ素吸収パターンの解明−

4)土壌特性に基づく玄米のヒ素汚染リスク予測技術の開発

5)加工・調理・保管による米中ヒ素の化学形態別ヒ素濃度の変動解明

6)土壌及び食品中の各化学形態別ヒ素の分析方法の確立

(2)畑作物におけるカドミウムの体系的なリスク低減技術の開発

1)転換畑における土壌洗浄によるカドミウム汚染土壌の修復技術の開発

2)各種畑土壌における土壌洗浄によるカドミウム汚染土壌修復技術の開発

3)畑作物別のカドミウム汚染土壌修復目標値の策定とその検証技術の開発

4)転換畑における修復植物の効率的収穫・処理技術の開発

5)各種畑土壌におけるファイトレメディエーションによるカドミウム汚染土壌修復技術の開発

6)ダイズのカドミウム低吸収品種の開発

7)関東東海地域向け低カドミウム蓄積小麦系統の開発

8)西日本向けコムギのカドミウム低吸収品種の開発

9)野菜の接ぎ木栽培によるカドミウム吸収抑制技術の開発

10)カドミウム極低蓄積突然変異体コシヒカリの栽培適性の検証

11)資材選定と施用法によるダイズのカドミウム吸収抑制技術の開発

12)部分施用によるダイズのカドミウム吸収抑制技術の開発

13)資材等を利用したダイズカドミウム吸収抑制技術およびカドミウム汚染リスク予測技術の開発

14)栽培法・資材施用・低カドミウム品種を組み合わせたコムギのカドミウム吸収抑制技術の開発

15)ムギ類のカドミウム汚染リスク予測技術の開発

16)土壌抽出法による畑作物のカドミウム汚染リスク予測技術の開発

17)安定同位体比法による畑作物のカドミウム汚染リスク予測技術の開発

18)イムノアッセイによるカドミウム分析の簡易・迅速化及び精度向上技術の開発と畑作物中のカドミウム濃度測定へのイムノアッセイの適用手法の開発

19)ムギ・ダイズを対象としたボルタンメトリー法による簡易分析法の確立

20)イムノクロマト法等によるカドミウム濃度簡易測定のムギ、ダイズ、野菜への適用

2 野菜等におけるPOPs のリスク低減技術の開発

(1)フードチェーンにおけるPOPs の暴露に関する評価技術の開発

1)土壌からのPOPs 抽出法改良による作物吸収量推定技術の開発

2)異なる土壌における土壌汚染推定技術の検証

3)データベースを利用したPOPsの作物汚染度推定技術の開発

4)POPs の吸収および地上部への移行の生理機構の解明および環境要因の解析

5)調理・加工段階におけるPOPsの減衰要因の解析

(2)POPs のリスク管理技術の開発

1)鉄資材等を利用したPOPs の化学的分解技術の開発

2)複合分解菌と木質炭化資材を利用した土壌浄化技術の開発

3)環状ジエン殺虫剤分解菌の探索と汚染現場への適用

4)担子菌を利用した土壌浄化技術の開発

5)高吸収植物を利用した土壌浄化技術の開発

6)異なる土壌におけるファイトレメディエーション技術の検証

7)活性炭の種類(性質)がPOPsの作物吸収に及ぼす影響の解明

8)異なる土壌における活性炭を利用したPOPs 吸収抑制技術の検証

9)活性炭利用によるネガティブ効果の検証

10)POPs 吸収のカボチャ品種間差異

(3)POPs のリスク評価・管理のための共通基盤技術の開発

1)統計学的手法によるPOPs 汚染判定技術の開発

2)ELISA および前処理技術手法の開発

3)POPs のリスク管理技術の経済的評価技術の開発

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